2型糖尿病治療においては、日々の継続的な管理が重要であり、薬物療法を導入している場合には、服薬アドヒアランスの向上が大切になります。これに関し、精神面の健康をいかに維持するかが、アドヒアランスを悪化させない重要な要素となってくる可能性を示した研究結果が報告されました。
負担や苦痛を感じていない?
この研究は「Diabetes Care」に掲載された、Jeffrey S. Gonzalez氏らの研究チームによるもので、糖尿病による感情的な側面のストレス、精神的苦痛などが、治療を行っていく上での服薬アドヒアランス、メディケーションにどう関連するかを分析しています。
研究チームでは、人種や経済的背景などが一様でない、さまざまな社会的属性の成人2型糖尿病治療を受けている患者104人を対象として、精神的な苦痛を感じているかどうかや、うつ病を評価するために用いられるセルフレポートを提出してもらいました。また、抑うつ症状の有無や重症度をみる面接も実施、その上でA1C値の測定に用いる血液サンプルを採取しています。
被験者104人については、その後3カ月間処方された薬剤を服用できているか、電子的に監視を行い、服薬アドヒアランスに関する自己評価のレポートも提出してもらいました。こうして得られたデータをもとに、精神的苦痛や抑うつ症状の状態と服薬アドヒアランスの関連性について検討したそうです。
精神的苦痛が服薬アドヒアランスの独立予測因子と認められる結果に
研究の結果、3カ月間における被験者の服薬遵守率は、電子的監視で76.1%、自己評価のレポートで83.7%でした。そしてセルフレポートや面接インタビューで判定されたうつ症状の重症度、および糖尿病に由来する精神的な苦痛の深刻さは、服薬アドヒアランスの低下と有意に関連していることが確認されたといいます。
また回帰モデルによる分析からは、ベースラインにおける精神面でのストレス、負担の重さや、抑うつ症状の重症度が、その後の服薬アドヒアランスにおける重要な予測因子となっていることも判明しました。関連がみられるだけでなく、独立の予測因子として認められる結果が得られており、注目すべき結果となっています。
研究チームでは、今回の研究結果は、糖尿病に由来する精神的な苦痛やうつ症状の重篤度が、2型糖尿病における薬物療法の顕著なアドヒアランス低下リスク要因であることを示しているとし、精神面の健康を維持することの重要さを訴えるとともに、これらの関連性が示す潜在的な症状のつながりについて、さらなる研究が必要だとも指摘しました。
(画像はイメージです)

Diabetes Care : Tangled Up in Blue: Unraveling the Links Between Emotional Distress and Treatment Adherence in Type 2 Diabetes
http://care.diabetesjournals.org/content/39/12/2182