“食べたら歯を磨く”という習慣が大切なものであることは、誰しもが理解しているところですが、この歯磨きを行う頻度と生活習慣病の発症には関係性があり、あまり磨かない人ほど糖尿病を発症するリスクが高いとする研究報告がなされ、注目を集めています。
5年間の後ろ向きコホート研究で判明
この研究は、Masanari Kuwabara氏を中心とする研究チームによって、日本で行われたもので、その成果は「Journal of Cardiology」オンライン版に11月15日付で掲載されました。
糖尿病研究においても、以前から口腔内の健康を保つ重要性は認識されており、Kuwabara氏らはこれまでにもすでに、歯磨き習慣と糖尿病、脂質異常症の関連を報告する発表を行っています。今回の研究は、歯磨き頻度の低さがこれら疾患の独立したリスク因子であるかどうかを検討したものとなっており、予防の観点からより注目に値する内容を含んでいるといえるでしょう。
研究チームでは、東京の聖路加国際病院において、2004年と2009年に健康診断を受けた、2004年時点で30歳~85歳だった人を対象に、5年間の後ろ向きコホート研究を実施、歯磨きの頻度が「毎食後」か「少なくとも1日1回」か「1日1回未満」であるかの3群に分類して、各群の糖尿病、脂質異常症、高血圧症、高尿酸血症の累積発症率を調べています。
また、毎食後に磨くか磨かないかの2群で、年齢や肥満度、糖尿病、脂質異常症、高血圧、高尿酸血症といった要素調整を行った後の、糖尿病と脂質異常症発症リスクについて、男女別のオッズ比算出も行いました。
歯磨きで心血管系疾患発症リスクを低減!
まず調査データの対象者13,070人から、2004年時点で糖尿病の有病者であった575人、脂質異常症の5,118人、高血圧症の2,599人、高尿酸血症の1,908人を除外、残りのケースについて、検討を行いました。
その結果、2004年から2009年の間における累積発症率は、糖尿病が全体の2.5%にあたる318人、脂質異常症が18.3%の1,454人、高血圧症が10.6%の1,108人、高尿酸血症が4.4%の489人となっていたそうです。
歯磨きとの関連性における主な結果としては、毎食後歯磨きをする人に比べ、毎食後に磨かない人では、男性の糖尿病発症リスクが1.43倍、また女性における脂質異常症の発症リスクが1.18倍と、いずれも有意に高かったことが報告されています。
研究チームでは今回の研究結果から、毎食後の歯磨きが、男性における糖尿病、女性における脂質異常症の予防に有効であるほか、積極的に歯磨きを行うことにより、心血管系疾患の発症リスクが上昇するのを抑制するメリットを得られる可能性が高いと結論づけました。
この機会にあらためて歯磨きの重要さを認識し、こまめにケアを行うよう習慣づけていきたいですね。
(画像はイメージです)

Journal of Cardiology : Low frequency of toothbrushing practices is an independent risk factor for diabetes mellitus in male and dyslipidemia in female: A large-scale, 5-year cohort study in Japan
http://www.journal-of-cardiology.com/