2型糖尿病では、有病者が増加しているほか、患者個々によってさまざまな病態と背景、ニーズが存在するため、治療の形態も年々複雑化しています。一方で、それに応える多様な治療選択肢が登場し、より適切なものが選択されるならば、患者にとって多くのメリットをもたらすものとなるでしょう。
ネシーナとメトホルミンの合剤が発売に
武田薬品工業株式会社は11月29日、2型糖尿病治療剤として「イニシンク配合錠」の国内販売を開始したことを発表しました。この新たに発売された治療剤も、そうした選択肢として役立てられることが期待されます。
「イニシンク配合錠」は、2型糖尿病治療剤の「ネシーナ錠」(一般名:アログリプチン安息香酸塩)とメトホルミン塩酸塩(以下、メトホルミン)の配合剤で、アログリプチンとして25mg、メトホルミン塩酸塩として500mgを含有しています。
「ネシーナ錠」は、1日1回投与の選択的ジペプチジルペプチダーゼ(DPP-4)阻害薬と呼ばれるタイプの薬で、メトホルミンは1日2~3回投与することにより、肝臓での糖の産生を抑制するビグアナイド薬です。いずれも糖尿病治療薬として、広く使用されているものであるため、ご存じの方もあるでしょう。
1日1回の経口投与でOK
今回発売された「イニシンク配合錠」は、このDPP-4阻害薬とメトホルミンの組み合わせによる合剤で、1日1回の経口投与で治療が可能なものとなります。日本国内で発売されている薬剤では、こうしたタイプの配合剤はなく、唯一のものとなることから、発売にいたるまでにも注目を集めてきました。
発売に際しては、武田薬品工業が、ネシーナ錠にかかる既存の臨床試験成績と国内臨床第3相試験で得られた、ネシーナ錠とメトホルミンの併用投与における有効性と安全性を示すデータから、製造販売承認を取得しています。
なお「イニシンク配合錠」の薬価は、1錠174.20円となっており、これに対応する先発医薬品の単剤である「ネシーナ錠25mg」1錠と「メトグルコ錠250mg」2錠を合計した薬価は194.00円となるため、1日薬価で「イニシンク配合錠」の方が割安になるものともなっています。
食直前または食後の経口投与で、1日1回1錠で使用するタイプの薬剤で、服薬負担も最小限に抑えられていることから、アドヒアランスの向上も期待できるでしょう。
武田薬品工業では、「イニシンク配合錠」が2型糖尿病治療の新たな治療選択肢として役立ててもらえるよう、適正な情報活動に努めていくとしています。

武田薬品工業株式会社 ニュースリリース
http://www.takeda.co.jp/news/2016/20161129_7631.html