日本国内においても糖尿病患者の増加は深刻で、多くの人々が治療を必要としています。この傾向は世界各国でみられ、それに伴って新たな治療法、新薬の開発も盛んに進められています。そうした最新状況をまとめたレポートが、Pharmaceutical Research and Manufacturers of America(米国研究製薬工業協会)から公開されました。
171の新たな医薬品が開発中
現地時間の13日に公開されたこのレポートは、糖尿病のために開発されている最中の医薬品と題されたもので、新たな糖尿病治療の研究開発に関する進捗状況や取り組みを紹介しています。資料によると、現在1型糖尿病、2型糖尿病、およびこれら糖尿病に関連する慢性腎臓病をはじめとした合併症などの疾患を対象とする医薬品が、171種類、開発中段階にあるとされています。
内訳としては、1型糖尿病を対象とするものが40種類、2型糖尿病向けの治療薬が95種類、その他の糖尿病に対するものが3種類、糖尿病性の合併症など関連する疾患・症状を対象にするものが61種類となっています。
これらの医薬品は、すべて米国食品医薬品局(FDA)による臨床試験中もしくは、承認に向けた審査待ちとなっており、今後患者のもとに届けられるものとなることが期待されているものです。調査によると、米国では糖尿病と診断された人における医療費費用は2,450億ドルに上っており、こうした医療費の増大に対応しつつ、患者の命を救うため、研究者らが新たな治療法の開発・発見に尽力していることが伝えられています。
新規診断者の減少など希望がみえる結果も報告
公開されたレポートによると、現在、米国では毎年140万人もの人々が新たに糖尿病の診断を受けており、3,000万人超の患者がいるとみられています。そして、700万人は依然自らが糖尿病であることに気づいていない患者であると推計され、治療法における顕著な進展がみられた今日にあっても、今なお同国において7番目に多い主要死因となっているといいます。
また8,600万人の国民が、糖尿病発症の高リスクを抱える糖尿病予備群であるとみられ、さらなる啓発とケアが必要であることも報告しました。一方で、新たに糖尿病と診断される患者の割合は、年々減少しているとの米国疾病予防管理センター(CDC)の見解も紹介し、少しずつ状況が改善しつつあるともしています。
PhRMAでは、あらためて今回のレポートにより、糖尿病は治療や管理の難しい慢性疾患であり、血糖値の継続的なモニタリングや、複数の治療法を適切に組み合わせていく必要があるなど、特有の困難さをもった病気であると指摘。しかし、治療法の進歩と新薬開発により、入院を避ける上で重要な患者のアドヒアランスは向上してきているとしました。
アドヒアランスの向上は、ヘルスケアシステムの効率化と患者の健康に大きなメリットをもたらすものであり、米国内で毎年約35万人の入院と約70万人の救急搬送を削減することが可能になるほか、Medical Careの調査によると患者1人あたり年間5,000ドルの医療費支出削減、4,000ドルのトータルメディケアにおける支出の削減につながると見込まれています。
このように、患者が新たな治療法と医薬品のメリットを享受しながら、積極的に治療へ取り組んでいくことで、状況は随分と改善されるだろうとし、さらに現在開発中の新治療法によっても、患者やその家族は大きな希望を見出せるようになるとしています。
その一方で、高額な治療薬・治療法が増加していることも踏まえ、必要な治療にかかる費用負担で、あらゆる患者が思い悩むことのないよう、金銭的負担の軽減にも取り組んでいかねばならないともしました。

PhRMA プレスリリース
http://www.phrma.org/レポート資料「Medicines in Development for Diabetes」
http://www.phrma.org/