糖尿病と高血圧症は深い関係にあることが知られており、互いに悪影響を及ぼしてしまうことが分かっています。糖尿病を有している人は、そうでない人に比べ高血圧リスクが高く、また高血圧症の人は、高血圧でない人に比べ糖尿病になりやすいとも言われてきました。
遺伝的に収縮期血圧が高いとリスクが増大
この糖尿病と血圧に関し、最新の研究報告が10月4日付の「Diabetes」に掲載されました。それによると、収縮期血圧の高い人では、2型糖尿病を発症するリスクが増大するとされています。
この研究は、Aikens氏を中心とする研究チームによってなされた遺伝的研究で、2型糖尿病患者37,293人のケースを対象に、収縮期血圧と関与する遺伝子変異と糖尿病発症の関連性について検討したものです。
研究チームでは、37,293人の2型糖尿病患者データと、その対照コントロール群となる125,686人のデータを収集、収縮期血圧に影響を与えることが分かっている28の遺伝子変異に着目し、メタ解析を実施しました。
メカニズムや意味を解明するさらなる研究にも期待
解析の結果、遺伝的スコアによる収縮期血圧値が1mmHg上昇するごとに、2型糖尿病発症のリスクは2%増加していくという有意な関連性が認められたそうです。
より精細な検討を行うため、他の影響が及ぶことを制限すべく、収縮期血圧に特化した関連性をみせる13の遺伝子変異に絞り込んで第2スコアを算出したところ、やはり収縮期血圧値の遺伝子的な上昇1mmHgで、2型糖尿病発症リスクは2%増大することが確認されました。
このように複数のアプローチで一貫して有意な関連性が示されたことから、研究チームでは今回の検討対象である、遺伝的に上昇した収縮期血圧は2型糖尿病発症のリスクを高めるという仮説が正しい可能性がきわめて高まったとしています。その上で、生物学的なメカニズムや、このデータの意味を解明するため、さらなる研究が必要になるともしました。
糖尿病と高血圧が組み合わさると、心臓発作や脳卒中を引き起こすリスクも非常に高くなってしまいます。糖尿病では、まず血糖値に意識がいくものですが、日々の血圧についても注意し、可能な限り正常値の範囲内へとコントロール・管理していきたいものです。
(画像はイメージです)

Diabetes : Systolic Blood Pressure and Risk of Type 2 Diabetes: a Mendelian Randomization Study.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27702834