糖尿病の治療においては、食事療法、薬物療法とともに運動療法が用いられ、これらをうまく組み合わせていくことが、最も高い効果を発揮するものだと考えられています。とくに生活習慣が発症と深く関与している2型糖尿病では、食事と運動による生活改善が欠かせません。
30分ごとに軽い運動を始めよう!
この運動療法に関し、米国糖尿病学会(American Diabetes Association・ADA)は、これまでのガイドラインを刷新し、最新版を「Diabetes Care」の11月号で発表しました。その内容は、より積極的に体を動かすよう訴えるものとなっています。
公表されたガイドラインでは、糖尿病患者の血糖コントロール改善に対し、運動がもたらすメリットは非常に高いものであることがあらためて強調されており、エネルギーを用いて血糖値を下げるだけでなく、心血管系疾患の発症リスク低減、体重減少、筋肉量アップによる代謝の改善、インスリン抵抗性の改善・悪化抑制などに寄与し、症状の進行を抑えるほか、QOLを長く向上することにつながることが解説されています。
その上で具体的アドバイスとして、パソコンの使用やTV視聴などで座位時間が長引きがちな生活のシーンでは、30分ごとに3分間以上の軽い運動を行い、体を動かすようにと勧告しました。
軽い運動として想定されているのは、手足を伸ばすストレッチや、その場での足踏み、もも上げ、胴体をひねる運動や、片足に重心をかけて行うスクワットのような筋肉トレーニングのサイドランジ運動などです。
日常生活で自然な運動を心がける!
ガイドラインでは、こうした軽い運動を頻繁に行うことを、日常生活における通常の運動に加えて実施するようアドバイスしており、より積極的に体を動かすこと、それを習慣づけることが大切だと強調しています。
エアロビクス運動や筋肉トレーニング、サイクリング運動、柔軟性や平衡感覚をアップさせるトレーニング、ヨガなども有効なものとして、それぞれの効果が詳細にわたって解説されており、これらを取り入れた活動的毎日を送ることが、これまで以上に推奨される内容となりました。
運動の時間的な目安としては、1週間に少なくとも150分、1日30分間を下回らないような目標で体を動かし、体重管理が必要な場合には、減量にも努めると、血糖コントロールの質が向上され、合併症などのリスクも減らすことができるとされています。
また、妊娠糖尿病の症状が現れている女性には、有酸素運動や筋肉トレーニングをうまく取り入れていくことがよいとされ、糖尿病前症の状態にある人は、より積極的な運動と生活習慣の改善を組み合わせて、2型糖尿病への進展を予防することが強く推奨されました。
このほかにも、若年層の患者における運動アドバイスや、運動有の血糖値モニタリング方法の紹介など、具体的かつ詳細な内容のガイドラインとなっています。自分がどのような状態にあり、どういった運動をすればよいのか、こうしたガイドラインの情報をもとにしつつ、かかりつけの先生に相談し、実行していくとよいですね。
(画像はイメージです)

Diabetes Care : Physical Activity/Exercise and Diabetes: A Position Statement of the American Diabetes Association
http://care.diabetesjournals.org/content/39/11/2065