糖尿病は合併症が恐ろしい疾患の代表であり、発症すると血管を痛め、糖尿病性網膜症や糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害といった三大合併症はもちろん、心筋梗塞や脳梗塞などの大血管障害も引き起こすことが知られています。さらにこのほかにも身体へ与える影響は大きく、さまざまな疾患リスクを高めてしまうとみられているのです。
BMI、ウエスト周囲と糖尿病が肝臓がんリスクに関係
こうした糖尿病に伴う疾患リスクについて、さらに気になる最新の研究結果が10月15日付の「Cancer Research」に掲載されています。それによると、2型糖尿病患者の場合、肝臓がんの発症リスクが高まるとされています。
研究は、Peter T. Campbell氏らのチームによってなされたもので、米国成人を対象としたものです。Campbell氏らは、肝臓がんの発生率が1970年代の半ば以降、肥満や2型糖尿病の増加に伴って3倍にまで上昇していることに着目。ベースラインのBMI指数とウエスト周囲、2型糖尿病の有無と、肝臓がんの発症リスクについて関連性があるかどうか検討を行いました。
まず、14件の研究に参加した米国成人1,570,000人のデータを収集、追跡調査を行ったところ、期間中に6.5%が2型糖尿病と診断され、2,162人が肝臓がんを発症していました。
体重管理により注意が必要
年齢や性別、飲酒・喫煙習慣などを考慮した調整を行ったうえで、データの解析を行ったところ、肥満と2型糖尿病を有している人と、肥満のみで2型糖尿病の診断は受けていない人とでは、肝臓がん発症率に有意な差がみられ、肥満と2型糖尿病の患者である前者のグループが2.61倍も高い結果になりました。
またBMI指数で5kg/平方メートル上昇すると、肝臓がんのリスクが男性では38%、女性で25%高くなることが確認され、女性よりも男性でとくにリスクが上昇する傾向がみられています。ウエスト周囲では、5センチの増加で肝臓がんリスクが8%増加することが分かり、こちらでもリスク上昇との関連が確認されています。ただし、ウエスト周囲については男女差はなく、同程度のリスク上昇がみられたとされています。
一方で、肝炎の血清陽性とBMI指数の間には、層別解析による関連性は確認されませんでした。
この研究結果から研究チームでは、BMI指数の高さ、ウエスト周囲の大きさと2型糖尿病の有無は、肝臓がんの発症リスクと有意に関連していることが強く示唆されたとしています。
症状の進行を防ぐだけでなく、こうした肝臓がんなどの発症リスクを倍増させないためにも、血糖コントロールとともに体重管理をしっかりと行っていきたいですね。
(画像はイメージです)

Cancer Research : Body Mass Index, Waist Circumference, Diabetes, and Risk of Liver Cancer for U.S. Adults
http://cancerres.aacrjournals.org/content/76/20/6076