医薬品の副作用や生物由来製品を介した感染などによる健康被害に対し、迅速な対応で救済を図るほか、医薬品・医療機器などの品質、有効性、安全性について一貫した体制での指導・審査を行ったり、市販後における安全性情報の収集、分析、提供を行ったりすることで、広く国民保健に貢献している独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)から、同機構や厚生労働省で注目しているリスクに関する最新情報が公開されました。
使用上の注意改訂につながりうる情報として注目、評価中
この情報は、10月28日に追加公開されたもので、副作用報告の一定の集積、市販直後調査などから示唆されるリスク情報で、使用上の注意の改訂などにつながりうるものとして注目しているもの、または医薬品との関連性を評価中であるものという位置づけで、掲載されています。
今回公開された中には、糖尿病治療薬として用いられるDPP-4阻害薬などが含まれました。これに該当するのは、選択的DPP-4阻害剤「ネシーナ錠」の名称で流通するアログリプチン安息香酸塩、選択的DPP-4阻害剤/チアゾリジン系薬の配合剤として用いられる、販売名「リオベル配合錠LD」「リオベル配合錠HD」のアログリプチン安息香酸塩・ピオグリタゾン塩酸塩配合剤、胆汁排泄型選択的DPP-4阻害剤の「トラゼンタ錠」として販売されているリナグリプチン。
それに、選択的DPP-4阻害剤の販売名「テネリア錠」となるテネリグリプチン臭化水素酸塩水和物、選択的DPP-4阻害剤/ビグアナイド系薬配合剤として販売される「イニシンク配合錠」のアログリプチン安息香酸塩・メトホルミン塩酸塩配合剤の5つです。
気になることはまずかかりつけ医に相談を!
これら5つで公開された注目のリスク情報は、いずれも類天疱瘡を対象としています。類天疱瘡とは、水疱症とも呼ばれる皮膚疾患で、はっきりした原因がないにもかかわらず、皮膚に水疱が現れる病気です。
類天疱瘡では、血液中、皮膚の最も表面にある表皮と真皮の境となる基底膜部とよばれる部分に対する自己抗体が形成され、それが表皮の基底膜にある自己抗原と結合して、表皮と真皮の接着を悪化させ、水疱を作ることが分かっています。しかし、なぜ自己抗体ができるのかなど、詳細については判明していないことも多くあります。
発症すると、全身のさまざまな部分に、かゆみを伴う紅い斑点と大きく張った破れにくい水ぶくれ(水疱)とびらんが生じます。現時点では、リスクとして注視されている段階ですので、過剰に心配する必要はありませんが、該当する薬を使用していて、このような症状が現れた場合など、気になること、変わったことがあれば、速やかにかかりつけの先生に申し出ましょう。
なお、このほかに今回公開されたリスク情報の糖尿病関連では、高尿酸血症治療剤として用いられる「アリスメット錠」およびそのGE薬などのアロプリノールで、薬剤性過敏症症候群に伴う1型糖尿病リスクが挙げられています。

独立行政法人医薬品医療機器総合機構 注意喚起情報
https://www.pmda.go.jp/