日本国内でも引き続き増加している糖尿病は、いまや世界各国にきわめて多くの患者数がいる、メジャーかつ社会問題としても深刻な疾患の代表格となっています。そのため、糖尿病の発症リスクについてはさまざまな研究がなされていますが、女性の2型糖尿病発症について、興味深い報告が提出されました。
ホルモンの関連性を検討
この研究は、オランダのTaulant Muka氏をはじめとする研究チームによるもので、女性の2型糖尿病発症リスクについて、性ホルモンの関与に着目し、コホート研究とメタ解析を用いた分析を行ったものです。これによって得られた成果・知見は、10月7日付でAmerican Diabetes Associationの「diabetes」に掲載されました。
Muka氏らは、Rotterdam Studyに参加した、閉経後女性3,117人のデータを用い、Endogenous Sex Hormones(内因性ホルモン・ESH)と、Sex Hormone-binding Globulin(性ホルモン結合グロブリン・SHBG)と2型糖尿病リスクの関係性について解析を行っています。またそれに加えて、女性における2型糖尿病とこのESH、SHBGの将来における関連性を評価する、研究の系統的レビューとメタ分析も実行したとされています。
ちなみに内因性ホルモンとは、生体内で作られるホルモンで、性ホルモン結合グロブリンとは、エストラジオールなどの性ホルモンと結合する糖蛋白のことです。主に性ステロイドを血流にのせて血管外の目的組織へと運んだり、性ステロイド濃度を抑制してアンドロゲンとエストロゲンのバランスを保ったりといった役割を果たしています。
糖尿病リスクとSHBGは逆相関、総エストラジオール値は相関関係に
研究チームは、中央値で11.1年間の追跡を実施、384の2型糖尿病発症例を同定しました。このデータを用いた解析の結果、総エストラジオール(TE)が2型糖尿病発症リスクの増大と有意に関連していたのに対し、SHBGはリスクと逆相関の関係性をもっていることが明らかになったそうです。
同様に、1,912例超の2型糖尿病ケースを含んだ13の研究データをもととするメタ解析を実行しても、やはりSHBG値の低さと、TEの値の高さが、2型糖尿病発症のリスク上昇と関係していることが確認されています。なお、その他のホルモンについては、今回の研究では、有意な関連性は見出されなかったといいます。
また、内因性ホルモンと2型糖尿病発症の関連性は閉経後の女性でのみ認められましたが、SHBGとの逆相関関係は閉経状態にかかわらず確認されたことも報告されています。
研究チームではこれらの結果から、性ホルモン結合グロブリンの低値と、総エストラジオールの高値は、女性における2型糖尿病発症の独立したリスク因子であると結論づけました。
(画像はイメージです)

diabetes : Associations of Steroid Sex Hormones and Sex Hormone-Binding Globulin with the Risk of Type 2 Diabetes in Women: a Population-Based Cohort Study and Meta-Analysis.
http://diabetes.diabetesjournals.org/