2型糖尿病の発症においては、運動習慣や食生活など生活習慣における要素が大いに関連していますが、遺伝的要素も関わっており、さまざまな要因が複雑に絡み合っているものとみられています。これに関し、遺伝子レベルでの新たな知見を提供する最新の研究報告がなされました。
LDL-C低下を導く遺伝子変異で糖尿病リスクが増大
この研究は、Luca A. Lotta氏ら英国の研究チームによって行われたメタ解析によるもので、その成果は「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に10月4日付で掲載されています。
Lotta氏らは、NPC1L1やHMGCR、PCSK9など低比重リポタンパクコレステロール(悪玉コレステロール・LDL-C)の低下に関わる遺伝子変異に着目。これら脂質低下薬の標的分子をコードするものでもある遺伝子が、2型糖尿病のリスクとどう関連しているか、また心血管系疾患(CAD)の発現との関連はどうかについて、検討を行ったそうです。
対象となったのは、2型糖尿病を有する50,775人の患者とその対照群270,269人、CAD患者60,801人とその対照群123,504人で、データは1991年から2016年にかけて欧州と米国で収集されたものとなっています。
NPC1L1遺伝子変異とCADは逆相関
Lotta氏ら研究チームは、このデータをもとにメタ解析を実施しました。その結果、NPC1L1遺伝子変異は、2型糖尿病の発症と直接的かつ有意に関連し、相関関係を示すものであることが判明したそうです。
同様にPCSK9遺伝子変異などでも、糖尿病の発症リスクとの関連性がみられ、これを減少させることで、リスクが低下することが確認されています。一方、NPC1L1遺伝子変異とCADは逆相関の関係にあることも分かりました。
この解析結果を受け研究チームでは、NPC1L1やその他の近いLDL-C低下に関与する遺伝子変異は、2型糖尿病の発症リスクを高めるものであることが確認されたとして、LDL-C低下療法における潜在的悪影響を示唆するものだと指摘、新たな知見として今後に活かされるべきとの見解を示しています。
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JAMA : Association Between Low-Density Lipoprotein Cholesterol–Lowering Genetic Variants and Risk of Type 2 Diabetes
http://jamanetwork.com/