糖尿病には主要な病型として1型と2型があります。患者の9割以上を占め、運動や食生活といった生活習慣が主に影響する2型糖尿病に対し、1型糖尿病は主に自己免疫によって生じる病気で、インスリン依存型糖尿病と呼んだり、小児期に発症することが多いため小児糖尿病と呼んだりすることもあるものです。
携帯デバイスで管理、医療機器として初承認
1型糖尿病は、免疫反応の異常やウイルス感染など何らかの原因により、リンパ球があやまって膵臓のβ細胞を攻撃、インスリン産生機能を破壊してしまうことで発病します。発症すると、インスリンがまったく分泌されなくなってしまうため、体外から補給するしかなく、毎日インスリン注射を行わなければなりません。経口血糖降下薬などの薬も効かず、合併症リスクと向き合いながら、闘病を続けなければならない大変な病気です。
こうした1型糖尿病患者を適応として、米食品医薬品局(FDA)が現地時間の9月28日、「携帯型人工膵臓」ともされるデバイスを医療機器として世界で初めて承認し、注目を集めています。
承認されたのは、アイルランドのMedtronic MiniMed, Inc. が開発した、ハイブリッド型クローズドループシステムデバイス「MiniMed 670G System」です。
このデバイスは、インスリンポンプと持続的に患者の血糖値を自動でモニターするCGM(Continuous Glucose Monitor)を連動させたもので、血糖値が低ければ、インスリン投与の量を減少させるかストップさせ、逆に血糖値が高ければ、それに応じて量を増加させたインスリンの投与を実行させることができます。
より若年層での適応も目指す方針
「MiniMed 670G System」において、インスリン投与はカテーテルで行う仕組みが採られており、デバイスのディスプレイ表示で、患者自身が血糖値データの情報やアラートを確認することも可能です。
マニュアルモードとオートモードの2種類が選択でき、マニュアルモードの場合は、あらかじめプログラムされた速度でインスリン投与を行います。センサーでとらえた血糖値が設定値を下回るか、所定の閾値より低い値となることが予測される場合には、インスリン送達が一時的に停止され、上昇が確認されれば、投与が再開されます。
オートモードの場合は、自動的に連続して基礎インスリン調整を行っていきます。オートモードを選択していれば、ユーザーが設定を行う必要はありませんが、食事中には手動での対応を行わなければなりません。
今回の承認における適応は、14歳以上の1型糖尿病患者となっていますが、Medtronic MiniMed, Inc. は、7~13歳の患者についての研究・検証も開始しており、今後の適応拡大も見込まれています。
承認時に参照された研究データによると、平均年齢37.4歳の1型糖尿病患者123人で、このシステムデバイスを導入したところ、HbA1c値はベースラインの7.4%から6.9%になり、血糖値が目標閾値に入っている時間は66.7%から72.2%に拡大したとされています。参加患者では、重症低血糖やケトアシドーシスもみられておらず、これらから有効性と安全性が確認されました。
携帯可能なコンパクトサイズのデバイスで、日常の血糖コントロールを簡便かつ良好に導いてくれるということで、患者さんのQOL向上へ大いに寄与すると期待されています。

FDA The 670G Systemについて
http://www.fda.gov/Medtronic MiniMed, Inc. ホームページ
http://www.medtronicdiabetes.com/home