これからのシーズン、秋刀魚をはじめ脂ののった魚が美味しい季節になりますね。気温の低下とともに寒ブリなども、より濃厚な美味しさを増していきます。こうした青魚にはオメガ3脂肪酸と呼ばれる不飽和脂肪酸が豊富に含まれ、生活習慣病予防によいとされており、油のなかでも積極的に摂取すると健康になるといったことがしばしばいわれています。
フランスの大規模研究で女性の糖尿病リスクが上昇との報告
しかし、この説に異論を唱える最新の研究報告が、ドイツ・ミュンヘンで開催された第52回欧州糖尿病学会(EASD)でなされました。この研究は、1993~2011年に糖尿病でない40~65歳の女性71,334人を対象に実施した、フランスの大規模研究で、食事に関する質問調査データをもとになされたものです。
研究を主導したGuy Fagherazzi氏らは、肉類や魚介類、卵に含まれるアラキドン酸(AA)とオメガ6脂肪酸、肉の赤身にも多いドコサペンタエン酸(DPA)、オメガ3脂肪酸、亜麻仁オイルや菜種油、クルミなどに含まれるα-リノレン酸(ALA)などの脂肪酸について摂取量を推定、疾病リスクとの関連性を検証しました。
その結果、オメガ3脂肪酸を含む全脂肪酸の摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べ、2型糖尿病の発症リスクが26%高いことが判明し、BMI25以上の過体重の人と、そうでない人に分けて解析すると、過体重の女性では、脂肪酸の摂取が最も多い群で19%、そうでない女性では38%、糖尿病リスクが高まっていたといいます。
何事も過ぎたるは及ばざるがごとし?
脂肪酸の種類別でみていくと、DPAの摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べ、糖尿病発症リスクは過体重の女性で54%、それ以外の女性で45%も高くなっていました。AAでも摂取が最も多い群では、過体重の女性の場合74%のリスク上昇が確認され、そうでない女性でも50%リスクが高まっていたそうです。
一方、ALAの場合はやや関連性が低く、摂取量が最も多い群で過体重の女性の場合が17%のリスク上昇、そうでない女性ではリスクとの有意な関係は認められなかったとされています。
Guy Fagherazzi氏ら研究チームは、とくにリスクを高めていたDPA、AAの主な摂取源は肉類で、それぞれ31%、43%を占めていたとし、魚類などよりも肉類に由来する油の方が、やはりリスクを高めやすいともしています。
しかし、魚由来の健康とされてきたオメガ3脂肪酸でも、糖尿病リスク上昇との関連性がみられたことは驚きをもってとらえられており、とくに肥満傾向にある場合などは、やはり控えめにした方がよい可能性が示唆されています。
男性でも同様な結果となるのかなど、不明な点も多く残されていますが、やはり何事もバランスが大切で、過剰な摂取は健康によい影響をもたらさないということなのかもしれません。
(画像はイメージです)

EASD 2016 該当発表論文
http://www.easdvirtualmeeting.org/