糖尿病では1日のなかで複数回血糖値の測定を行うことが推奨されており、持ち運びに便利な小型血糖値計が普及しています。こうした血糖値計では、近年高機能化が進んでいるものの、ヘモグロビン値や血糖値など複数項目をひとつのシステムで測定するため、システム構成が複雑になり、測定精度面や電池消費面に課題も生じています。
柔軟性も精度もアップ、低電圧化も実現の新ソリューション
こうした課題の解決に寄与しようと、ルネサス エレクトロニクス株式会社は5日、バイオケミカルセンサを用いた血糖値計などヘルスケア関連の電池駆動センシング機器に最適な16ビットLCDマイコン「RL78/L1Aグループ」6品種を開発、量産出荷を開始したことを明らかにしました。あわせて製品機能をすぐに評価できるプロモーションボード(Renesas Promotion Board・RPB)もリリースしています。
この新製品では、センサなどのアナログ信号を検出する部品とマイコンなどを接続し、処理可能なように信号の増幅やノイズ除去といった調整を行うアナログフロントエンドの内部に、アナログスイッチを内蔵するという、これまでの一般的なものとは異なるスタイルを採っているため、測定対象に応じて最適な回路への切り替えが可能で、血糖値とヘモグロビン値を交互に測定するといったヘルスケア機器の開発が柔軟に行えるものとなっています。
また、リファレンスソフトウェアの提供で、内蔵アナログフロントエンド機能を用いた精度の向上が容易になることから、機器の性能・精度を安定的に向上させることにもつながるといいます。
さらにアナログフロントエンドのさまざまな回路上における工夫を施したことで、動作電圧の大幅な低電圧化を実現させているため、血糖値計などで主要な機能となる測定の経路を、電池寿命ぎりぎりまで正常に動作させることが可能となり、長寿命化にも貢献、電池交換の手間を減らすことなどにも寄与するとみられています。
サンプルプログラムなどは年末にもリリース、より便利な小型製品の発売ラッシュに期待
血糖値やヘモグロビン値を別々の測定機器で個別に測らなければならないのでは、手間も負担も大きくなりますが、ひとつのごくコンパクトで軽量な測定機器で一度に可能ならば、大いに利便性は高まります。
また、たとえ一度に測定できて便利でも、精度が安定しなかったり、低かったりするのでは使い物になりませんし、電力消費量が多く、頻繁に電池交換を行わなければならないのも不便です。
しかし、このマイコンを導入した製品であれば、持ち運びもしやすく、安定して使いやすい高精度なツールとなり、電池も長持ちするようになるでしょう。日々の疾病管理が徹底されれば、糖尿病によって引き起こされる合併症の予防や進行抑制を行いやすくなります。
ルネサス エレクトロニクスでは、開発された新製品の機能評価が行えるRPBを発売するほか、血糖値計での使用を想定したリファレンスソフトウェアについてアプリケーションノートとサンプルプログラムを年末にもリリース予定としています。
また今後も継続してアナログ機能を強化したマイコンの開発・拡販を進めていくことを計画しており、ヘルスケア機器による疾病予防や予後管理の改善・普及、医療コスト削減で社会的問題へ貢献していきたいとも発表しました。こうした取り組みを受けた血糖値計関連製品の登場が期待されます。
(画像はプレスリリースより)

ルネサス エレクトロニクス株式会社 プレスリリース
https://www.renesas.com/