2型糖尿病患者の場合、食生活の偏りや運動不足といった生活習慣が引き金となっているケースも多く、肥満症やメタボリック症候群を伴っている人も少なくありません。こうした人の場合では、血糖コントロールとともに体重管理が重要になります。
糖尿病患者記録の検討で既婚者の方がBMIが低い結果に
これに関し、興味深い研究報告が、今年9月にドイツ・ミュンヘンで開かれた第52回欧州糖尿病学会(EASD)でなされています。その研究発表によると、結婚し配偶者と同居しているかどうかで、過体重やメタボリック症候群となるリスクに違いがみられたとされています。
この研究報告は、横浜市立大学のYoshinobu Kondo氏らによるもので、Kondo氏らは、2010年6月から2016年3月までの2型糖尿病患者270人における診療記録をもとに分析、検討を行いました。対象となった270人のうち、180人が既婚者で配偶者と同居(男性は109人、女性が71人)、残り90人が独身者です(男性が46人、女性が44人)。
すると、肥満度などをみる際に用いられるBMIの平均値は、既婚者の群で24.5kg/平方メートルだったのに対し、独身者では26.5kg/平方メートルと高い傾向にあることが分かりました。一般に25.0kg/平方メートル以上が肥満とされているため、独身者では平均値でこれを超えていることになります。
既婚者の方が血糖コントロールもやや良好か
また、HbA1c値で比較しても、既婚者群が平均値7.0%であった一方、独身者群では7.3%とやや高くなっており、メタボリック症候群であるか否かも、既婚者の場合は同症候群と認められたのは54%でしたが、独身者では68%が該当し、高比率であるとの結果になりました。
過体重リスクについて、年齢や性別、糖尿病の罹患期間など影響を与えうる因子を考慮して調整し、算出したところ、既婚者の方で50%、リスクが低いことも確認されています。メタボリック症候群のリスクについては、男性患者で既婚者の場合、独身者よりも58%有意に低いことが判明しました。一方で、女性の場合には既婚・独身の別とメタボリック症候群リスクに有意な関連性は認められていません。
今回の研究報告は、あまり多くはない人数の限定されたものですが、興味深い結果になっているのではないでしょうか。もちろん個人差もありますが、日頃からパートナーとともにいることで、生活習慣の改善を続けやすくなっている可能性もあるでしょう。
肥満症やメタボリック症候群は、糖尿病の病態を悪化させやすくし、心疾患や脳卒中のリスクもさらに上昇させてしまうものです。独身の患者である方も、このリスクを知って、親しい人とつながりながら、またチーム医療を形成する専門家との関係性を積極的に深めながら、日々ともに改善へ努めていくとよいかもしれませんね。
(画像はイメージです)

EASD 2016 該当研究発表
http://www.easdvirtualmeeting.org/