糖尿病患者にとって、血糖値を下げることは重要なことですが、それとともに薬物療法で生じる低血糖にも気をつける必要があり、血糖コントロールを良好に保ち続けることこそが何より大切です。そうした理想的な血糖コントロールが、心血管系合併症の発症リスクを低減することにもつながります。
ToujeoはいずれのHbA1c値でもランタスより低血糖発現率が低い!
これに関し、フランス・サノフィから注目すべき発表が現地時間の13日になされました。日本国内では20日に発表されています。それによると、「Toujeo」投与での治療を受けている成人2型糖尿病患者では、「ランタス」を投与した患者に比べ、投与6カ月後のいずれのHbA1c値でも、夜間および24時間の血糖値で70mg/dL(3.9mmol/L)以下または重症低血糖の発現率が低下したといいます。
これは、2型糖尿病患者を対象とした第3相臨床試験のデータを用いて新たに行ったメタ解析の結果判明したもので、ドイツ・ミュンヘンで開催された第52回欧州糖尿病学会(EASD)でも発表されています。
試験は2,103例を対象にしたもので、血糖値70mg/dL以下または重症低血糖の患者あたりの年間発現件数は、負の二項回帰モデルを用いてメタ解析され、各患者の投与開始6カ月後時点のHbA1c値データで補正されています。
その結果、「Toujeo」(インスリン グラルギン注射液300単位/mL)と「ランタス」(インスリン グラルギン注射液100単位/mL)の曲線に重なる部分はなく、「Toujeo」の低血糖発現率は、いずれのHbA1c値でも「ランタス」より低くなっていました。
実臨床エビデンス発表も、「Toujeo」はさらなる臨床試験も進行中
また、良好な血糖コントロールを行いながら、低血糖の発現率を抑制する可能性を示した初の実臨床エビデンスも、第76回米国糖尿病会議(ADA 2016)で発表されています。この発表におけるデータは、既存の患者情報としてPredictive Health Intelligence Environmentデータベースを用いたもので、ここから既存の基礎インスリン製剤から「Toujeo」に切り替えた患者の情報を取得、検討を行いました。
すると、「Toujeo」投与開始後6カ月間で、患者267例のHbA1c値が、ベースライン時の8.97%から8.33%へ、平均0.64%低下した一方、低血糖発現率は、投与開始時の6.0%から5.1%にまで下がり、血糖コントロールを改善しながら、低血糖リスクも抑制できる可能性が示される結果となりました。
サノフィでは、これらで示唆された「Toujeo」の優位性を示す所見をさらに追認すべく、広範にわたる実臨床プログラムを進めているそうです。
「Toujeo」は、広く用いられているインスリン グラルギンを有効成分とした1日1回投与の基礎インスリン製剤で、日本国内では「ランタスXR」のブランド名により、承認を得て製造・販売されています。
「Toujeo」については、このほか、2型糖尿病患者における実臨床での効果を検討する3件の大規模無作為化臨床試験が進行中で、新たな糖尿病治療戦略を得られるものと期待されているそうです。

サノフィ株式会社 プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/layout.jsp?scat=474