糖尿病の薬物療法においては、さまざまな新薬が登場し、多くの治療選択肢が生まれてきています。しかしこうした現代にあっても、患者さんの不安や苦痛が消えることはありません。最新の調査でも、約7割の糖尿病患者さんが合併症に、約5割が低血糖に、約4割が血糖変動に不安を抱えていることが報告されています。
1回15日分以上の処方も可能に
そうした課題を少しでも解消するには、さらなる血糖コントロール改善につながる治療法や変更可能な治療選択肢の提示、個々に適した情報の提供が不可欠となるでしょう。この観点からも知っておきたい、新しいタイプの薬剤に関する最新情報が8月31日、サノフィ株式会社から発表されました。
発表は、持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタスXR注ソロスター」(一般名:インスリン グラルギン(遺伝子組換え)注射剤、有効成分濃度:300U/mL、1キット(1.5mL)中に日局インスリン グラルギン(遺伝子組換え)を450単位含有、以下「ランタスXR」)に関するもので、これまで同薬にかかっていた1回14日間を限度とする投薬期間制限が、2016年8月31日をもって終了になったというものです。
この新医薬品に対して付される制限が解除となったことで、「ランタスXR」を1回15日分以上処方することができるようになりました。
通院頻度を減らし負担を軽減!治療を継続しやすい環境を
「ランタスXR」は、持効型溶解インスリンアナログ製剤「ランタス」として提供されてきた薬剤の有効成分濃度を3倍にし、さらに進化させた有用性の高い次世代の基礎インスリン製剤です。日本国内では、インスリン療法が適応となる糖尿病を対象に、昨年7月3日に製造販売承認が出され、同年9月7日から販売が開始されました。
通常、成人で、初期には1日1回4~20単位を、毎日一定の時刻に皮下注射するものとされています。場合によっては、他のインスリン製剤を併用して治療することもあり、投与量は症状や検査所見に応じて増減されます。「ランタスXR」とその他インスリン製剤の投与量を含めた維持量は、通常1日4~80単位とされますが、必要な場合にはこれを超えて用いることもあります。
「ランタス」は、ヒトインスリンのアナログ(アミノ酸配列が異なるインスリン)で、肝におけるグルコース産生を阻害したり、筋肉や脂肪組織へのグルコース取り込みを促進したりすることで、血糖値を下げますが、「ランタスXR」はより緩やかで徐々に進む溶解プロセスの薬となっており、「ランタス」と同じ有効成分ながら、さらになめらかで持続的な働き、薬力学プロファイルを示して、24時間以上の安定した血糖降下作用を発揮するとされています。
これまでは、1回の処方で14日分までしか出せませんでしたが、今回15日分以上の処方も可能となったため、利用する患者さんにとっては、度々の通院にかかる負担が軽減されるものと見込まれています。
糖尿病は長く付き合っていかなければならない疾患ですから、こうした負担の軽減が進み、治療を継続しやすい環境が整備されることは、とても重要なこととなります。今後もそれぞれの状況に合った治療選択肢の誕生と、服薬・投薬負担の少ない治療法開発が望まれます。
(画像はプレスリリースより)

サノフィ株式会社 プレスリリース
http://www.sanofi.co.jp/l/jp/ja/layout.jsp?scat=474