肉食中心の生活よりも、魚を積極的に摂る食生活の方が健康的であるといったイメージをもっている方は多いでしょう。魚に含まれる油分には、ドコサヘキサエン酸やエイコサペンタエン酸といった多価不飽和脂肪酸が多く、心筋梗塞や狭心症、心血管系疾患の予防によいことは多くの研究でもすでに報告されています。
魚を食べると、糖尿病網膜症発症リスクが48%低減
2型糖尿病患者においても、魚の油を摂ると中性脂肪を減らすことができるとされるほか、血液をさらさらの状態に保ちやすくなるといわれています。さらに魚には抗炎症性の生理活性をもった脂肪も含まれているため、炎症の進行を抑制できることも分かってきました。
こうした利点に加え、さらに糖尿病の主要な合併症である眼の障害、糖尿病網膜症の発症予防にも、魚が効果的であるという報告が、最新の研究でなされ、注目を集めています。
「JAMA Ophthalmology」オンライン版で8月18日に掲載されたこの研究は、バルセロナのレッド バイオメディカル研究センター、Sala-Vila氏らによってなされた地中海式ダイエットによる疾患予防の効果を調査した大規模研究「PREDIMED」をベースにしたもので、そこから糖尿病網膜症の発症リスクと魚を食べる習慣の関連性について検討を行ったものです。
1日500mgの多価不飽和脂肪酸で効果、週に2回食べればOK
「PREDIMED」の研究対象は、スペイン在住の55~80歳の2型糖尿病をもつ男女3,614人で、2003年から2009年にかけての調査データが用いられています。研究チームは、対象者を3つの群に分け、低脂肪食を摂取するグループと、植物性食品を中心とし赤身肉を控えてオリーブオイルを積極的に摂る、地中海食を摂取するグループ、オリーブオイルの代わりに1日30グラムのナッツ類を摂るタイプの地中海食を摂取するグループへランダムに割り付けました。
今回は、ベースラインで2型糖尿病をもっていた、平均年齢67歳の男女3,482人を対象として、オメガ-3脂肪酸の摂取量と糖尿病網膜症の発生状況について、6年間のフォローアップ期間で解析を行っています。
すると、1日あたり少なくとも500mgのオメガ-3脂肪酸、多価不飽和脂肪酸を摂取していたグループでは、摂取していなかったグループに比べ、有意に糖尿病網膜症の発症が少なく、そのリスクは48%も低下していることが判明しました。解析においては、年齢や性別、ライフスタイルなど影響を与えうる他の要素を考慮した調整を施しています。
この結果から、中年以上の2型糖尿病患者の場合、1日あたり500ミリグラム以上のオメガ-3脂肪酸を摂取すると、糖尿病網膜症を効果的に予防できる可能性が高いことが示されました。この1日あたり500ミリグラム以上という量は、およそ週に2回魚を摂取すると、摂ることができるのだそうです。
全体的な食事のバランスを整えながら、魚由来の油を摂るようにすること、魚料理を積極的に取り入れることに気をつけていけば、深刻な合併症のひとつである糖尿病網膜症を防ぐことができるかもしれません。ぜひ知識としてもち、毎日の生活に活かしていきたいですね。
(画像はイメージです)

JAMA Ophthalmology : Dietary Marine ω-3 Fatty Acids and Incident Sight-Threatening Retinopathy in Middle-Aged and Older Individuals With Type 2 Diabetes Prospective Investigation From the PREDIMED Trial
http://archopht.jamanetwork.com/article.2543478