糖尿病となる原因には、さまざまな要素があるとされ、大きく分けると遺伝的要因と環境要因とがあります。日本人糖尿病患者では約95%を占めるとされる2型糖尿病の場合、主に後者の環境要因、食生活や運動不足、ストレスといった生活習慣に由来するといわれますが、遺伝的な体質もやはり関係しているはずと考える向きも少なくありません。
スウェーデンの一卵性双生児研究から
では実際、どの程度遺伝的な部分があり、どの程度が生活習慣・環境によるのでしょうか。そのことを考えるうえで注目される研究が「JAMA Internal Medicine」オンライン版に8月1日付で掲載されています。
その研究というのは、スウェーデンのUmea大学、Peter Nordstrom博士らによる、中高年の一卵性双生児を対象とした研究で、同国全国規模のレジストリを用い、2人のBMIに差があるペア4,046組を抽出して、肥満(BMI)と心筋梗塞、死亡、2型糖尿病発症のそれぞれにおけるリスクについて、どのような関連性があるか検討したものとなっています。
研究チームは、まず1998年3月17日から2003年1月16日まで研究を実施し、さらに2013年12月31日までフォローアップを実施、2,103人のアウトカムに対する追跡調査を行いました。一卵性双生児であれば、遺伝的に同一であるため、遺伝的背景を除外したリスク評価や関係性を考えることができます。
BMIと糖尿病発症リスクは関連、その他は直接的に有意な関連性はみられず
報告された調査結果によると、平均12.4年のフォローアップ期間中、平均BMIが25.9と肥満傾向にある双生児のうち、5%にあたる203人が心筋梗塞を起こし、13.6%の550人が死亡していました。それに対し、平均BMIが23.9と標準的な双生児では、5.2%の209人が心筋梗塞を発症、15.6%にあたる633人が死亡しました。
さらに肥満状態にあるBMI30以上の双生児65組も調べていますが、体重が重いほど心筋梗塞の発症や死亡リスクが深刻に高まるといった結果はみられず、BMIと心筋梗塞の発症、死亡リスクに直接的で有意といえる関連性は確認できませんでした。
しかしその一方で、糖尿病の発症率は有意な関連性がみられ、BMIが高い、体重が重く肥満状態にあるほど、発症リスクが高いことが判明したそうです。ちなみにそのハザード率は1.13でした。
今回の研究における対象者の身長・体重は、自己申告であったため、一定の限界があるということが断られていますが、遺伝的背景を除くと、肥満が心筋梗塞や死亡リスクの上昇と直接的な因果関係で結ばれていることは確認できず、それよりも有意に強い相関が肥満と糖尿病発症リスクにあることが判明したとされています。
糖尿病と心疾患系リスクが関連することは、多数の研究で報告されているため、糖尿病を介した相関が生じることも考えられますが、適切な体重管理は、まず何より糖尿病のリスク減少に寄与することが示されたといえるでしょう。やはり生活習慣の改善が、予防と進行の防止には欠かせないようです。
(画像はイメージです)

JAMA Internal Medicine : Risks of Myocardial Infarction, Death, and Diabetes in Identical Twin Pairs With Different Body Mass Indexes
http://archinte.jamanetwork.com/2540539