夏野菜として、この時期美味しさを増すトマト。豊富な栄養素とさっぱりした味わいで夏バテ症状も防いでくれます。それだけでなく、トマトに多く含まれる天然色素カロテノイドの一種「リコピン」は、強い抗酸化力を持ち、健康や美容によい働きをすることが分かっています。近年の研究では、さまざまな生活習慣病、なかでも糖尿病予防につながることが明らかとなってきました。
トマトがなぜ糖尿病予防に?
ではなぜ、リコピンが糖尿病にもよいとされているのでしょう。それは血中にあるアディポネクチンというタンパク質が関係しています。このアディポネクチンは、5~10マイクログラム/mlほどの濃度で血中に存在しているのですが、この濃度が高くなるほど、糖尿病や動脈硬化の予防効果が期待できるとされているのです。
リコピンには、この血中アディポネクチンを増加させる働きがあり、これはマウスを用いた実験でも確認されています。カゴメ株式会社の行った糖尿病肥満モデルマウス実験では、通常飼料、リコピンを0.05%含む飼料、リコピンを0.2%含む飼料を、3つのグループにそれぞれ4週間与え飼育した後、採血を行ってアディポネクチン濃度を調べています。すると、リコピンをより多く含む飼料を摂取したマウスほど、血中のアディポネクチン濃度が有意に高くなっていました。
アディポネクチンが減少すると、耐糖能異常や動脈硬化が進み、メタボリックシンドロームも進行すると考えられているため、トマトを積極的に摂取すると、糖尿病や動脈硬化の予防・改善、さらに肥満、メタボリックシンドロームの症状抑制が期待できるとみられています。
リコピンを効率よく摂るなら朝がおすすめ!
こうした健康効果が期待できるならば、より効率よくリコピンを摂取したいですよね。先の研究も行ったトマトのプロフェッショナル、カゴメによると、とくに朝にトマトジュースを飲んだ場合で、リコピンがよく吸収されることが判明したのだそうです。
体内での栄養成分の消化吸収や代謝には、1日のリズムがあり、そのため栄養成分を摂る時間帯によって、その吸収効率が異なる可能性が大いにあります。しかし、これまでリコピンで時間帯による吸収効率の差があるのか、いつ摂取すれば最も効率がよいのかは不明なままとなっていました。
カゴメは、これを明らかにする研究を開始し、昨年、朝にトマト含有飼料を摂取すると他の時間よりも効率的にリコピンを吸収できると動物実験で示すことに成功しました。そこで、さらに踏み込んでヒトでの効果を確認すべく、研究を行ったといいます。
実験では、成人男女23人に朝・昼・夜の各時間帯でトマトジュース160グラム(リコピン16ミリグラムを含有)を飲んでもらい、その後の血中リコピン濃度を摂取後2、4、6、12時間後で測定、時間帯による差が生じるか検証しています。すると、朝に摂取した場合でリコピン吸収量が有意に多くなり、動物実験の結果と合わせて考えると、やはり朝の摂取が適していることが確認されたといえるものとなりました。
ちなみに、なぜ朝がよいのかについては、食事を摂取するまでの絶食時間の長さが関連しているとみられるそうです。カゴメでは、この研究成果を今月25日~27日に開催される第63回日本食品工学会で発表する予定ともしています。
もちろん、食生活全体でのバランスを整えることが大切ですが、まずは朝にトマトやトマトジュースを摂取して、健康的な1日をスタートさせるのもよさそうです。
(画像はプレスリリースより)

カゴメ株式会社 ニュースリリース(リコピンに関するヒト試験報告)
http://www.kagome.co.jp/company/20160802