2016年7月22日、理化学研究所の木塚康彦研究員などが属する国際共同研究チームは細胞の糖鎖をこれまでよりも高感度に検出する方法を見出したと発表しました。
同研究チームが着目したのはフコース糖鎖。この糖鎖は肺の機能や免疫機能に深く関わっており、慢性閉塞性肺疾患や肺がん、その他のがんでもフコース糖鎖の発現異常が認められます。
糖尿病の原因にもなる糖鎖
糖鎖とは読んで字のごとく、単糖が鎖状や分岐状に連なった状態のもの。
糖鎖は様々な役割を担っており、糖鎖の構造や量が変化することによって糖尿病やアルツハイマー病、がんなどの疾患を引き起こすことがこれまでの研究によって明らかになっています。
理化学研究所では2011年に膵臓のベータ細胞において糖鎖異常が発生すると糖尿病を発症するという研究結果を発表しています。
さらに好感度に検出するには
現在、臨床現場ではフコース糖鎖を用いたがんの診断方法が使われています。しかし、現在の診断マーカーでは感度が十分ではないため、さらに高感度に検出する方法の確立が喫緊の課題とされていました。
糖鎖の検出には「抗体」「レクチン」「代謝ラベル法」などがあり、同研究チームは代謝ラベル法を選択。この代謝ラベル法は検出したい糖とよく似た構造の糖類似体を用います。細胞に目印をつけた糖類似体を加えると糖鎖に含まれたこの物質を簡単に見つけることができるのです。
同研究チームはフコース糖鎖を高感度に検出可能な「7-アルキニルフコース」という化合物を開発。この化合物はこれまで代謝ラベル法で使われてきた糖類似体よりも毒性が低く、高感度にフコース糖鎖を検出可能に。
今回の研究によってフコース糖鎖量の増加が知られているがんなどの糖鎖や糖タンパク質の同定に新たな方法が加わりました。
(画像はプレスリリースより)

理化学研究所 プレスリリース
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