慶應義塾大学医学部は11日、老化制御因子として期待されるNicotinamide mononucleotide(ニコチンアミド・モノヌクレオチド、以下 NMN)をヒトへ投与する臨床研究を開始すると発表しました。
加齢によって発症する疾病の予防・治療に期待
この臨床研究は、同医学部の内科学教室、眼科学教室、薬理学教室および米国ワシントン大学医学部の研究グループによって実施されるものです。このNMNのヒトへの臨床研究は、世界初となっています。
今回の臨床研究によってNMNがヒトの老化を制御するという体内動態が確認されれば、加齢に伴い生じる糖尿病などの疾病の発症予防や治療に役立つことが期待されています。
加齢による臓器機能の低下を抑制することで予防
このNMNに関しては、動物に投与すると加齢による疾病を抑える効果があることが、すでに判明しています。しかしヒトの体内においては、NMNがさまざまな臓器に対しどのような影響を与えるかについて、まだ詳しくわかっていません。
今回の臨床研究では、まずNMNのヒトへの安全性を確かめ、そして実際にNMNがヒトの体内でどのように吸収され、老化を抑制する物質に変換されていくのかなどについてが確認されます。
糖尿病は、加齢によってすい臓の機能が低下し、インシュリン分泌量が不足することが発症の原因のひとつだと知られています。加齢による臓器の機能低下を抑制できれば、糖尿病発症リスクが軽減できるだけでなく、すでに発症してしまった場合も、老化による病の進行を抑えることで治療効果を高められることが期待されます。

慶應義塾大学プレスリリース
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