2016年7月4日、武田薬品工業株式会社は米国カリフォルニア州に本社を構えるAltos Therapeutics LLCが保有する新薬候補物質ATC-1906に関する契約を結んだことを発表しました。
Altos社はATC-1906を胃不全麻痺が原因の吐き気や嘔吐症状に対する経口ドパミンD2/D3受容体拮抗薬として研究開発を続けてきました。今回の契約により、同社もこの研究開発に加わります。
アメリカで増加する胃不全麻痺
糖尿病の合併症と言えば糖尿病腎症や糖尿病網膜症、神経障がいなどを思い浮かべる人が多いでしょう。しかし、注意しなければならない合併症はこれらだけではないのです。
現在、アメリカ人の糖尿病患者に増加している合併症は胃不全麻痺。アメリカで増える慢性病は少し遅れて日本でも増加する傾向にあるため、今から対策を考えておかなければなりません。
胃不全麻痺の症状はみぞおちの痛みやお腹の張り、胃食道逆流症、食欲の低下、便秘もしくは下痢、吐き気、体重低下などが挙げられます。
胃に食物が入ると迷走神経の働きによって胃が活発に動き、食物は胃の中ですりつぶされます。そして、すりつぶされた食物は胃から小腸へ移動していきます。しかし、血糖値が高い状態が長期間続くと迷走神経がダメージを受け、胃不全麻痺を発症することがあります。
胃不全麻痺では迷走神経がダメージを受けているため、胃の動きが極端に遅くなったり完全に止まったりします。そうなると胃の中に食物が入っている状態が長くなり、胸焼けや吐き気などの症状が現れます。
治すより管理することが目的
胃不全麻痺の治療は治すことが目的ではなく管理することが目的です。これは糖尿病と同じですね。症状は強くなったり弱くなったり、ほとんど表れなかったりを繰り返します。
胃不全麻痺と診断されたら投薬治療に加えて食事療法が必要に。これまで1日に3回取っていた食事を6回に分けるなどして、1回の食事量を減らすことで消化管への負担を少なくします。症状がひどい場合には食物をスープやピューレ状にして消化しやすい状態にして摂取するなどの工夫が必要になります。

武田薬品工業株式会社 プレスリリース
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