6カ月以内の服用でリスクが1.48倍に
関節リウマチ患者(RA)への経口糖質コルチコイド(グルココルチコイド)の投与は、糖尿病リスクを上昇させる可能性が高いことが分かりました。これは、英・マンチェスター大学のMohammad Movahedi博士らのグループによる研究で明らかにされたもので、専門誌「Arthritis&Rheumatology」の最新号5月号に、その論文が掲載されています。
研究は、英国のClinical Practice Research Datalink(CPRD)および米国のNational Data Bank for Rheumatic Diseases(NDB)の臨床データベースを用いて行ったコホート研究で、これらデータベースに収められている関節リウマチ患者を対象として実施されました。CPRDでは1992年から2009年までの21,962人分の患者データが、NDBでは1998年から2013年までの12,657人分の患者データが含まれています。
研究グループは、今回、これら患者における経口糖質コルチコイドの服用用量と、服用時期、糖尿病発症について、その関係性を分析するデータ解析を行いました。
服用用量・服用期間で依存的に増加
研究結果によると、糖質コルチコイドを服用している患者の糖尿病発症リスクは、服用していない患者に比べて、CPRDのデータで1.3倍、NDBのデータで1.61倍高いことが判明したそうです。またそのリスクは、服用した用量と期間の増加に伴って上昇することも確認されています。
過去の糖質コルチコイド服用歴が6カ月より前である場合には、現在の糖尿病リスクへの影響がみられていませんが、6カ月以内である場合は明らかな関連性があり、CPRDのデータにおける解析では、プレドニゾロン換算で5ミリグラムに相当する経口糖質コルチコイドを服用した際の糖尿病発症リスクは、非服用患者に比べ、過去1カ月以内の服用で1.20倍、3カ月以内で1.43倍、6カ月以内で1.48倍となっています。
研究グループでは今回の分析結果から、関節リウマチ患者への経口糖質コルチコイド(グルココルチコイド)投与は、古くから広く世界中で行われているものですが、臨床上重要かつ評価可能な糖尿病リスク因子のひとつであることは間違いなく、服用の用量と期間に依存的なリスク上昇が確認されたと指摘しています。また一方で、その影響は6カ月以内の服用に限定されることも判明したと結論づけました。
(画像はイメージです)

「Arthritis&Rheumatology」 該当論文
Risk of Incident Diabetes Mellitus Associated With the Dosage and Duration of Oral Glucocorticoid Therapy in Patients With Rheumatoid Arthritis
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/art.39537/full