肥満や糖尿病を原因として、肝臓に脂肪が蓄積することで生じる肝炎である非アルコール性脂肪性肝炎(Non-alcoholic steatohepatitis・NASH)をすでに合併症としてもつ糖尿病前症または2型糖尿病患者に対し、Pioglitazone(ピオグリタゾン)を長期投与することは、治療として有効であるとする研究結果が、「Annals of Internal Medicine」オンライン版に掲載されました。
プラセボ対照のランダム化比較試験を実施
この論文を発表した、Kenneth Cusi氏をはじめとする研究チームは、肝生検でNASHを合併しているとの確定診断を受けた糖尿病前症または2型糖尿病患者の101人を対象に、大学病院で二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験を実施しました。
試験は、まず全被験患者に、その体重を維持するカロリー摂取から毎日500キロカロリー超分は減らした低カロリー食を食べてもらい、1日あたりピオグリタゾン45mgを投与する群と、プラセボを投与する群とにランダムで割り付け、18カ月間これを持続、そののちオープンラベルで18カ月間のピオグリタゾン投与を行うというかたちで進められています。
安全性と有意な改善を確認
その結果、当初からピオグリタゾンの投与を受けた群では、患者の58%が主要評価項目である、線維化の進行を伴わない非アルコール性脂肪性肝疾患の活動性スコア(NAS)において、少なくとも2ポイントの改善を達成し、51%ではNASHの消滅を確認することができました。
またピオグリタゾンの投与は、組織学的なスコアの改善や、肝臓中のトリグリセリド含有量の19%から7%までの有意な低下、脂肪組織や肝臓、筋肉のインスリン感受性の改善といった点と関係していることを、プラセボ投与群全体との比較から見出すこともできたといいます。
なお、こうしたピオグリタゾン投与でみられた代謝・組織学的改善は、いずれも継続的であり、36カ月間の全期間にわたって確認されています。有害事象の発生率はピオグリタゾン投与群、プラセボ投与群で有意な差はみられず、体重の減少はピオグリタゾン投与群で2.5kg多くなったことも報告されました。
こうした試験全体の結果から研究チームでは、糖尿病前症あるいは2型糖尿病における治療でピオグリタゾンを投与することは、NASHの進行を抑制するほか、安全にその状態を改善へと向かわせる可能性が高いとみています。
(画像はイメージです)

Annals of Internal Medicine : Long-Term Pioglitazone Treatment for Patients With Nonalcoholic Steatohepatitis and Prediabetes or Type 2 Diabetes Mellitus
http://annals.org/article.aspx?articleid=2529686