トマス・ジェファーソン大学の研究者は、単純な血液検査を用いて関節手術後の合併症リスクを減らす新しい方法を発見、その研究成果を科学誌「Journal of Bone and Joint Surgery」に発表しました。
より正確な合併症リスクの予測が可能に
糖尿病を患う人は関節置き換え手術を行う可能性が高く、さらに心臓発作や脳卒中、創傷感染症など手術後に深刻な合併症をおこす危険性があるといわれています。
現行のガイドラインでは、糖尿病患者は手術前に血液検査やマーカーを使い血糖コントロールの状態をチェックするようになっていますが、現在の方法では手術後合併症リスクとあまり相関していないという問題がありました。
今回研究者たちが発見した方法は、糖尿病患者だけでなく非糖尿病患者の手術後合併症リスクの高さを予測できるといいます。
血糖コントロールの悪い非糖尿病患者にも有効
研究者たちは、フルクトサミンと呼ばれるグルコースモニタリング化合物の血中濃度を調べました。するとHbA1cが120日間の血糖値を検出するのに対し、フルクトサミンでは14~21日間の血糖値を検出できました。
また関節置き換え手術を受けた患者829人を対象に行った調査では、フルクトサミンの血中濃度が高かった患者は深部感染や再入院・再手術のリスクがより高いことも明らかになりました。
この中で、高いフルクトサミン値を有する患者の35%は糖尿病の病歴がなく、これまでリスク群ではないと見過ごされていた可能性のある患者です。
怖い術後合併症予防のために
糖尿病患者だけでなく、非糖尿病患者にも存在する血糖コントロールが悪い人を見つけ出し、術後合併症リスクが高い人を特定することは重要です。
この研究は、手術前に介入が必要な患者を特定するためのより良い方法を提供するものであり、生命を脅かす合併症予防のために非常に有用であると論文のシニア著者であるJavad Parvizi教授は話しています。
(画像はトマス・ジェファーソン大学のホームページより)

トマス・ジェファーソン大学のプレスリリース(Science Daily)
https://www.sciencedaily.com/releases/トマス・ジェファーソン大学
http://www.jefferson.edu/