ジュネーヴ大学の研究者は、これまで解明されていなかった肥満がインスリン抵抗性を引き起こす仕組みを解明、その鍵が肝臓の細胞にあることを発表しました。
肥満と2型糖尿病 その発症の仕組みを解明
肥満はさまざまな疾病リスクをもたらすものとして知られており、2型糖尿病もその例外ではありません。しかしこれまでその関連性は分かっていたものの、その仕組みは解明されていませんでした。
ジュネーヴ大学の研究者により科学誌「Nature Communications」に発表された研究成果は、肥満と関連して増加するタンパク質PTPR-ガンマが肝臓細胞の表面に存在するインスリン受容体を阻害するということを伝えています。
鍵は肝臓細胞にあるタンパク質
研究者たちはマウスのPTPR-ガンマの発現レベルを、抑制・正常・過剰になるよう改変、インスリン抵抗性への影響を観察しました。
すると高カロリー食の摂取時にPTPR-ガンマを欠くマウスは肥満にはなりましたが、インスリン抵抗性の兆候は見られなかったといいます。
さらに肥満およびインスリン抵抗性に関連する腸内細菌叢の特定の細菌に関連する毒素を投与したところ、こちらもPTPR-ガンマがないマウスはインスリン抵抗性が発現しませんでした。
新たな治療方法の開発に向け
この成果について研究者は、新たな潜在的療法の扉を開くものだと期待を寄せています。
これまでの研究でもPTPタンパク質を糖尿病の治療に使うべく研究はされてきましたが、今回発見された分子による治療の方がはるかに容易であるといいます。
研究者は現在、体内で産生されるPTPR-ガンマ分子が有効に作用するときとしないときの理由の同定や、その機能を模倣する分子の開発に取り組んでいます。
(画像はジュネーヴ大学のホームページより)

ジュネーヴ大学のプレスリリース(Science Daily)
https://www.sciencedaily.com/releases/ジュネーヴ大学(英語ページ)
http://www.unige.ch/en/university/presentation/