糖尿病患者の場合、いかにうまく血糖コントロールを行っていくか、良好な状態へと導いていくかが、治療を進める上で非常に重要なこととなります。薬物療法で用いる治療薬にも、さまざまなアプローチのものがありますから、個々の状態に合った最良の組み合わせによる治療の適用こそが望まれるでしょう。
AGIsとDPP-4阻害薬が相補的に働いて効果をアップ
そうした最適な治療の実現に向け、新たな知見を提供する研究報告がこのほどなされ、「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に、成果をまとめた論文が、9月26日付で掲載されました。
研究を行ったのは、Se Hee Min氏、Young Min Cho氏らのグループで、MEDLINE、EMBASE、Cochrane Library、Clinicaltrials.govにあるデータから、2016年10月に検索を行って該当ケースを抽出、α-グルコシダーゼ阻害薬(AGIs)とジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)阻害薬を用いた場合と、α-グルコシダーゼ阻害薬とプラセボを用いた場合とを比較し、試験の特徴や有効性、安全性について検討、総合的なリスク評価などを試みています。
試験はいずれもランダム化比較試験として実施されたもので、対象は40件、このうちの基準を満たす5件でメタ解析を行うこととしたそうです。
体重増加や低血糖などのリスク増もなく効果がアップ
データを収集して絞り込んだところ、解析対象は、AGIs単独では血糖コントロールが十分でない2型糖尿病患者で、AGIsとDPP-4阻害薬の投与を受ける群にランダムで割り付けられた845人と、AGIsとプラセボの投与を受ける群にランダムで割り付けられた832人となりました。
2群の比較検討の結果、AGIsにプラセボを追加投与した群に比べ、DPP-4阻害薬を追加した群では、平均差-1.2%となるHbA1c値の有意な低下がみられました。また、空腹時血糖値や食後2時間血糖値も、DPP-4阻害薬を追加投与した方が、大幅に低下していたとされています。
一方で、DPP-4阻害薬を追加投与、AGIsと併用したことによる体重の増加は確認されず、また低血糖や消化器系有害事象の発生頻度は両群ともほぼ同様で、差がみられることはなかったそうです。
これらの結果から研究グループでは、α-グルコシダーゼ阻害薬による治療では、血糖コントロールが不良な2型糖尿病患者に、DPP-4阻害薬を追加して投与すると、体重増加や低血糖発現のリスクを上昇させることなく、より良好な血糖コントロールが得られるようになるとみられるとしました。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Diabetes Investigation : Efficacy and safety of combination therapy with an alpha-glucosidase inhibitor and a dipeptidyl peptidase-4 inhibitor in patients with type 2 diabetes mellitus : A systematic review with meta-analysis
http://onlinelibrary.wiley.com/