日本ではアステラス・アムジェン・バイオファーマ株式会社によって取り扱われている抗PCSK9抗体「レパーサ」(一般名・エボロクマブ)に関し、米Amgenが、国際行動臨床第3相試験として実施した「FOURIER試験」の新たな解析結果を公表しました。
EASDなどで解析結果を発表
新たな解析結果は、先日ポルトガルのリスボンで開催された第53回欧州糖尿病学会(EASD)年次総会で公表されたほか、「The Lancet Diabetes & Endocrinology」に掲載され、米国時間の15日にはAmgenからも発表されています。
「FOURIER試験」は、心血管系イベントの高リスク患者27,564人を対象とした多剤耐性二重盲検プラセボ対照試験としてデザインされたもので、スタチン療法に「レパーサ」を追加した場合と、プラセボを追加した場合とで比較・検討を行いました。
HbA1c値で6.5%(48mmol/mol)以上、または空腹時血中グルコースが7.0mmol/L(126mg/dL)以上であることや、これまでの病歴などから、ベースライン時に糖尿病を有しているか否かが判断され、被験者のうち40%にあたる11,031人が糖尿病患者、60%にあたる16,533人が非糖尿病患者であったとされています。なお非糖尿病患者のうちでも、10,344人は糖尿病前症の状態にありました。
糖尿病の有無に関わらず心血管系イベントリスクが低減
発表された結果の糖尿病有病者のサブグループ解析では、「レパーサ」の追加投与によって、LDLコレステロールの平均低下率が57%となり、非糖尿病患者でも60%の平均低下率が、それぞれ48週でみられています。また、いずれの群でも平均0.8mmol/Lの減少が確認されました。
不安定狭心症や冠動脈再建術、心臓発作、脳卒中、心血管死の入院を含む主要エンドポイントについては、「レパーサ」治療群のハザード比が0.83、糖尿病患者では0.87となっています。そもそも糖尿病患者の場合、心血管系イベントの発現リスクがベースライン時でより高い状態にあることから、絶対リスクの低下率でみると、糖尿病患者で2.7%、非糖尿病患者で1.8%となり、糖尿病患者の方でより高いリスク低減がみられる結果となりました。
試験全体の結果から、主要項目、副次項目のいずれにおいてもリスク低減効果の大きさは、糖尿病の有無に関わらずみられ、初年を超えて時間が経過するほどに増す傾向も確認されています。
加えて「レパーサ」は、プラセボと比較し、ベースライン時の非糖尿病患者における糖尿病発症リスクを増加させることはありませんでした。HbA1c値、空腹時血中グルコースレベルは、糖尿病患者、非糖尿病患者、糖尿病前症患者のそれぞれで、「レパーサ」投与群とプラセボ投与群で、経時的にも類似の結果となっていたそうです。
今回新たに発表された解析結果で、糖尿病の有無は、アテローム性動脈硬化症患者の心血管系疾患罹患率や死亡率におけるリスク上昇と独立的に関連し、「レパーサ」投与によって、ベースラインでのリスクが高い糖尿病患者の方が、より心血管系イベントの絶対リスクを大きく低減できることが明らかとなりました。
Amgenでは、糖尿病の有無に関わらず、LDLコレステロール値の低減が実現され、心血管系イベントリスクを下げられるほか、よりリスクの高い糖尿病患者ではその分さらに大きなリスク低下効果が得られること、投与によって糖尿病の発症リスクや病態悪化リスクへの影響もみられず、安全性が確認されたことは、大きな意味のあることだとしています。
(画像はAmgenホームページより)

Amgen ニュースリリース
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