出生時の体重は、後の健康状態などに大きな影響をもたらす因子であることが知られていますが、糖尿病とも関係が深く、出生体重が低いと、成人後の肥満度にかかわらず、糖尿病になりやすい傾向があることが、最新の研究で報告されました。
日本人の女性看護職員を対象とした研究データから判明
この研究は、Kota Katanoda氏らのグループによるもので、その成果をまとめた論文が、「Journal of Epidemiology」9月号に掲載されています。
研究グループは、日本の女性看護職員に対する健康疫学調査のナースヘルス研究(JNHS)のデータを用い、肥満度をみる指標として用いられる体格指数のBMI値を考慮の上、出生体重と成人後の糖尿病発症の関連性について調べました。
ボランティアで同調査に参加した女性看護職員49,927人のデータが収集されましたが、そこから30歳未満または不明、妊娠中、30歳未満で糖尿病を発症した人については解析から除外し、対象を26,949人に絞り込んでいます。
この対象者26,949人について、2001年~2007年に自記式の質問票による調査を実施、糖尿病の既往歴や出生体重、母親の妊娠期間、成人した現在のBMI値、両親の糖尿病既往歴などについて回答してもらい、ロジスティック回帰分析を行って検討しました。
現在のBMI値が正常でも低出生体重の場合は注意が必要
解析の結果、年齢やBMI値、両親の糖尿病既往歴といった因子によるデータ調整を行った状態では、出生体重と糖尿病発症との間に逆相関関係が見出され、出生体重が低い女性ほど、成人後に糖尿病を発症するリスクが高くなっていました。その割合は、出生体重が100グラム増加するごとに、発症リスクが7%低下するというものだったそうです。
また出生体重を、母親の妊娠期間のパーセンタイルに換算しても関連性に変化はみられず、同様の結果になったと報告されています。
さらに対象となった女性らを、現在のBMI値で5つの群に分類し、層別化分析を行ったところ、過体重~肥満の状態にあるBMI値が25.0以上の女性では、出生体重にかかわらず糖尿病発症リスクが高まっていましたが、BMI値が18.5~20.9といった正常で低めの値である女性の群の場合、出生体重が2,500グラム未満だと、出生体重が3,000~3,499グラムの人に比べ、糖尿病発症リスクが4.75倍になっていました。
これらの結果から研究グループでは、出生体重は成人後の糖尿病発症リスクに影響を与えるものとなっている可能性があるとし、成人後のBMI値が正常でも、出生体重が低い場合には、糖尿病リスクが高いと考えて注意すべきだとまとめています。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Epidemiology : Impact of birth weight on adult-onset diabetes mellitus in relation to current body mass index : The Japan Nurses' Health Study
https://www.jstage.jst.go.jp/