排卵障害でしばしばみられる多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)患者の場合、2型糖尿病を発症する割合が高く、確定診断を受ける年齢も低い傾向にあるとする報告が、デンマークの最新研究によってなされ、注目を集めるものとなっています。
デンマークの大規模調査で4倍のリスク
研究を行ったのは、Katrine Hass Rubin氏、Dorte Glintborg氏らのグループで、研究成果をまとめた論文が「The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism」のオンライン版に8月29日付で掲載されました。
研究グループでは、まず多嚢胞性卵巣症候群を有する患者1,162人と、これまでに2型糖尿病と診断されていない比較対照の集団についてデータを収集しました。1,162人の患者データには、多嚢胞性卵巣症候群を有する閉経前の女性で、標準的臨床および生化学検査を実施したコホートが含まれています。また、デンマークの国民患者登録資料から多嚢胞性卵巣症候群の患者、18,477人のデータを取得し、年齢が適合する対照群、54,680人のデータも得ました。
これらの対象者について、中央値11.1年の追跡調査を実施、糖尿病との関連性について分析し、評価を行っています。
より若い年齢で糖尿病に
分析の結果、多嚢胞性卵巣症候群の患者における2型糖尿病の発症リスクは、ハザード比で4.0となり、有意に高いことが分かりました。2型糖尿病の全発現率は、対照群が1,000人年あたり2.0であったのに対し、PCOS患者群では1,000人年あたり8.0となっていたそうです。
また2型糖尿病の確定診断を受けた年齢も、対照群の場合、平均中央値が35歳でしたが、PCOS患者群では中央値31歳と、より若年期に発現、診断されていました。
重回帰分析では、BMI指数やHbA1c値、空腹時血糖、食後2時間の血糖値、インスリン抵抗性の恒常性モデル評価、中性脂肪が2型糖尿病発症と正の相関関係にあり、一方出生数の多さは負の相関関係にあったと報告されています。
これらの結果から研究グループでは、多嚢胞性卵巣症候群の患者では、対照群に比べて2型糖尿病を発症する率が高く、またより若い年代で発症、確定診断を受けているとし、高リスクになっていることを指摘しました。
(画像は写真素材 足成より)

The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism : Development and risk factors of type 2 diabetes in a nationwide population of women with polycystic ovary syndrome
https://academic.oup.com/