長期間、持続的に膵臓が炎症をきたした状態となる慢性膵炎の患者では、糖尿病を発症するケースが多いことが知られています。このほどこうした慢性膵炎に起因する糖尿病患者に対する研究で、2型糖尿病患者にも共通する細胞の機能障害が確認されました。
経口ブドウ糖負荷時、低血糖発現時に共通の機能障害
研究を行ったのは、Lena Mumme氏らのグループで、その成果をまとめた論文は「Diabetes Care」オンライン版に7月27日付で掲載されています。
研究グループでは、まず慢性膵炎に伴って生じる続発性糖尿病を有する患者10人、2型糖尿病の患者13人、糖尿病を有しない対照群となる健常者10人を被験者として集めました。そして、彼らに低血糖クランプ試験と経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)を受けてもらい、その結果として得られたデータの検討を試みました。
発現障害が類似、共通の病因か
経口ブドウ糖負荷試験の結果では、慢性膵炎から糖尿病を発現した患者と2型糖尿病患者で、対照群となる健常者らよりも、糖のレベルが高い傾向にありました。慢性膵炎からの糖尿病患者でも、2型糖尿病患者でも、インスリンとC-ペプチドのレベルが低下しており、グルコースによって誘発されるグルカゴン抑制が損なわれていることが確認されています。
低血糖クランプ時のグルカゴン増加は、グルコースによって誘発されるグルカゴン抑制機能と逆相関の関係にあり、膵β細胞の機能とは正の関連があることが認められました。低血糖に対する成長ホルモン応答は、2型糖尿病患者群でより低い傾向にありましたが、慢性膵炎に起因する糖尿病の患者ではそうした低下傾向は確認されなかったとされています。
これら一連の結果から研究グループでは、グルコースの摂取あるいは低血糖症状に対する膵α細胞の細胞応答であるグルカゴン抑制機能が、慢性膵炎に起因する糖尿病症状の患者と2型糖尿病患者とで、同様に障害され妨げられていたとし、この類似性は共通の病因存在を示唆するものだとしました。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Defects in α-Cell Function in Patients With Diabetes Due to Chronic Pancreatitis Compared With Patients With Type 2 Diabetes and Healthy Individuals
http://care.diabetesjournals.org/