糖尿病治療はチーム医療として行われるべきものであり、その中心には患者がいなければなりません。そして生活習慣病のひとつであることが示すように、その治療成否には、継続的かつ積極的な患者自身の取り組みが大きく影響を与えるものとなります。
自己管理をオンラインゲームで楽しく学ぶ!
しかし、習慣化していることを変えるのは容易ではなく、またその取り組みに辛さ、困難さが伴う場合、継続することがさらに難しくなってしまうでしょう。そこで楽しく、気持ちよく、糖尿病と向き合う方法として、自己管理について学習できるオンラインゲームを開発、それに参加することで実際に効果があることを示した、興味深い報告が「Diabetes Care」のオンライン版に8月8日付で掲載されました。
研究を行ったのは、B. Price Kerfoot氏らのグループで、血糖コントロール不良な2型糖尿病患者が、簡単なチーム対抗のオンラインゲームに日々少しの時間、参加するようにすると、HbA1c値の長期にわたる改善効果が確認できたとしています。
研究グループは、経口血糖降下薬を用いてもHbA1c値が58mmol/mol以上と、血糖コントロールが不良な状態にある2型糖尿病患者456人を対象に、比較試験を行いました。
被験者らは、糖尿病の自己管理教育用に設計したオンラインゲームと一般的な冊子を与える群と、一般的なオンラインゲームと糖尿病自己管理用の冊子を与える群とに、ランダムで割り付けられています。
試験は6カ月間にわたって行われ、自己管理教育用のオンラインゲーム参加者には、血糖管理や運動、長期的な合併症、薬物療法などに関わる問題が、電子メールやアプリで週に2回、2問ずつ出されました。参加者らは、解答後に正解と解説をチェックし、その正解率などパフォーマンスに基づいたポイントが獲得できる仕組みで、チーム対抗で勝利チームにはささやかな報酬も得られるようにしたそうです。
楽しく学んで実践!新規の薬物治療追加並みの効果
その結果、糖尿病の自己管理教育向けに開発されたオンラインゲームに参加した被験者群では、12カ月間でベースライン時よりHbA1c値が8mmol/mol低下していましたが、一般的なオンラインゲームの群では5mmol/molの低下にとどまっており、教育用オンラインゲームを行うことで有意にHbA1c値を低下させられることが分かりました。
この傾向は、とくにベースライン時のHbA1c値がより高い患者で顕著にみられ、75mmol/molを超えていた被験者では、教育用オンラインゲーム群で16mmol/molの低下を達成できたのに対し、一般オンラインゲーム群では9mmol/molの低下となっていたそうです。
これらの結果から研究グループでは、患者の自己管理教育向けに開発したオンラインゲームを体験すると、持続的かつ有意なHbA1c値の改善効果が発揮されることが分かったとし、血糖コントロール不良の状態にある患者でも、新たな薬物療法を追加して開始したのと同水準のHbA1c値低下効果が認められたとしています。
さらにこうしたゲームへの参加を継続していくことで、より臨床的意義の大きさが認められる改善に寄与する可能性があるほか、楽しみながら学び、無理なく続けられるという点で、糖尿病以外の慢性疾患患者にも適用でき、予後の改善につなげていける可能性もあると指摘しました。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : A Team-Based Online Game Improves Blood Glucose Control in Veterans With Type 2 Diabetes : A Randomized Controlled Trial
http://care.diabetesjournals.org/content/40/9/1218