2型糖尿病の発症には、さまざまな因子が複雑に絡み合って作用しており、主に食事や身体活動といった長年の生活習慣が影響するとされています。しかしこの生活習慣における要素で、これまであまり関係性が注目されてこなかった睡眠時間についても、代謝や肥満、糖尿病とのつながりが指摘され始めています。
睡眠時間が長くなると胴囲が細く!
これまでにも睡眠と肥満や2型糖尿病といった代謝性疾患のリスクにおける関連性を指摘するものはありましたが、これを客観的な尺度から評価したり、睡眠時間と食生活、疾患との関連を同時に検証したりした研究はほとんどありませんでした。
そこでGregory D. M. Potter氏、Laura J. Hardie氏らの研究グループは、英国の成人を対象に睡眠時間と代謝との関連を詳細にわたって調べる研究を実施、その成果をまとめた論文を提出して、7月27日付の「PLOS ONE」に掲載されています。
研究に参加したのは、19歳~65歳、女性が57.1%の1,615人で、彼らには睡眠時間と3~4日間の食事をはじめとした生活に関するヒアリング調査を受けてもらいました。その上で血圧や身長、体重、胴囲の測定、採血による血液検査を実施し、空腹時の血中脂質量やグルコース量、HbA1c値、甲状腺ホルモン、高感度C反応性タンパク質(CRP)といったデータを収集しています。
現代人の生活習慣がさまざまな疾患リスクを上昇?
研究グループはこれらのデータをもとに、睡眠時間と肥満、代謝マーカー、全国食生活栄養調査データに基づく食事との関連性を検討したそうです。なお、評価にあたっては回帰分析の手法を用い、年齢や人種、性別、喫煙習慣の有無、社会経済的状態といった関連因子によるデータ調整を行っています。
分析の結果、睡眠時間はBMI指数や胴囲サイズと負の相関関係にあり、BMI指数は睡眠時間が1時間長くなると0.46kg/平方メートル減少、胴囲は1時間長くなると0.9cm細くなっていました。また高密度リポタンパクコレステロール(HDLコレステロール)とは正の相関関係にあり、睡眠時間が長いほど値が高く、1時間あたり0.03mmol/L高い値となっていたそうです。
ほかにも睡眠時間は、遊離チロキシンレベルと正の相関関係に、HbA1c値やCRPとは負の相関関係にありました。一方で研究グループが予測したのとは異なり、睡眠時間と食事の内容や質・スタイルには、有意な関連性が見出されませんでした。
これらの結果から研究グループでは、慢性的な睡眠不足にある現代人のライフスタイルが、多くの併存疾患発現リスクとなる肥満につながっており、しっかりと睡眠をとる方が、肥満度を示すBMI指数を低くでき、優れた代謝状態を保てる可能性が高いとしています。
(画像は写真素材 足成より)

PLOS ONE : Longer sleep is associated with lower BMI and favorable metabolic profiles in UK adults : Findings from the National Diet and Nutrition Survey
http://journals.plos.org/