血清γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)の値は、成人における2型糖尿病や高血圧、メタボリックシンドロームなどの心血管代謝性疾患と深く関係していることが、これまでの研究で明らかになっています。しかし、小児や青年においてはどうなのか、詳しく検証したものはほぼありませんでした。
韓国のグループが10代を対象に検討
そこで今回、Jae-Min Park氏、Yong-Jae Lee氏らの研究グループは、韓国における国民健康栄養調査をベースとし、青少年期の血清γ-グルタミルトランスフェラーゼ(GGT)の高値について、疾患との関連性を検証する研究を行いました。成果をまとめた論文は、「Journal of Diabetes Investigation」オンライン版に、7月25日付で掲載されています。
研究グループは、まず2010年~2011年に実施された韓国国民健康栄養調査のデータから、10~18歳の被験者1,618人分を取得しました。1,618人の内訳は、男子が867人、女子が751人となっています。また、メタボリックシンドロームの評価・判断は、2007年における国際糖尿病連合の提唱する小児および青年期の基準にもとづいて実行しました。
解析にあたり、被験者らは、血清γ-GGTレベルの第3四分位数(75パーセンタイル)をカットオフ値(男子・19IU/L、女子・15IU/L)として層別化されています。
血清γ-GGT上位群でメタボリックシンドロームの発現リスクが大
分析の結果、血清γ-GGTレベルの高い層で、ほとんどの心血管代謝関連の指標における平均値が有意に高くなっていることが明らかとなりました。
男子における高密度リポタンパクコレステロール値の低値、女子における血圧の上昇については、血清γ-GGTレベルの上位群と下位群の比較で有意差が認められなかったものの、それ以外のメタボリックシンドロームやその構成要素となる因子指標では、上位群のほうが下位群よりも有意に高い結果となったそうです。
年齢や家計所得、居住地域といった結果に影響を与え得る要素を考慮したデータ補正後の数値で、メタボリックシンドロームリスクの多変量調整済みORは、γ-GGTレベル上位群が男子で5.79、女子で6.20と報告されています。
これらの結果から研究グループでは、韓国の青少年における血清γ-GGT値は、メタボリックシンドロームや関連構成要素と、独立して正の関連を有するものであることが認められ、血清γ-GGTがメタボリックシンドロームや2型糖尿病リスクを有する青少年を同定する有用な尺度になるとしました。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Diabetes Investigation : Serum γ-glutamyltransferase level and metabolic syndrome in children and adolescents : Korean National Health and Nutrition Examination Survey
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12716/full