妊娠中に増加するホルモンの影響などから耐糖能が悪化、血糖値が高い状態が続く妊娠糖尿病は、母親の産後における糖尿病発症リスクを増大させるほか、胎児に与える影響やハイリスク妊娠となることから、注意が必要なものであり、血糖値を丁寧に管理することが大切とされています。
毎日頻繁に自己測定しなければダメ?
こうした妊娠糖尿病は、糖尿病と同様増加傾向にあり、早期の対処が必要なものとなっていますが、毎日、血糖値の自己測定を頻繁に行わなければならないとなると、妊婦にかかる手間やストレスがかなり増加してしまいます。
そこで、Mendez-Figueroa Hector氏、Paglia, Michael J. 氏らの研究グループが、毎日4回の血糖測定を行った場合と、1日おきに4回の測定を行った場合とで、もたらされる健康影響に違いがあるか検証・評価することを試みました。その結果をまとめた論文は、「Obstetrics & Gynecology」7月号に掲載されています。
研究グループでは、2013年の5月から2016年の5月にかけて、293人の妊娠糖尿病と診断されたものの、治療を要するほどの高血糖状態にはいたっていないことを確認した女性を対象に、調査実験を行いました。被験者らは、毎日4回血糖値の自己測定を行う群の149人と、1日おきに4回の血糖値自己測定を行う群の144人とにランダムで割り付けられました。
なおこの調査研究は、非劣性ランダム化比較試験としてデザインされ、5つのセンターで実施されています。
主な項目での違いはなし
主要評価は、生まれた子どもの出生時体重で行うものとし、毎日4回の測定を行った群と比べて、平均出生時体重を3,296グラムと仮定したときの5%にあたる165グラムの差を超えるものとなっていなければ、違いはない、非劣性であると判断することとしました。
調査・分析の結果、子どもの出生時体重は、毎日4回の血糖値測定を行った群と、1日おきに4回の測定を行った群とで、有意な差はなく同等であり、90%信頼区間の体重差は165グラム未満、-137~54グラムの平均-41グラムとなりました。
またそれぞれの群の間で、薬物治療の必要性、分娩誘発、分娩時の妊娠週数、分娩時の様式、妊娠高血圧腎症の発現率、肩甲難産に関する有意差も認められず、顕著なリスク差は確認されませんでした。新生児低血糖症を含む子どもの転帰も同様で、臨床的に有意な差はみられていません。
ただし血糖値の自己測定におけるコンプライアンス率は、1日おきの測定とした群の方が92%であったのに対し、毎日測定する群は89%と、1日おきの方が高い傾向にあったそうです。
これらの結果から研究グループでは、適切な管理がなされている状態の妊娠糖尿病患者であれば、血糖値の自己測定を1日おきにしても、毎日にしても、有意な差は現れなかったとしています。
(画像は写真素材 足成より)

Obstetrics & Gynecology : Gestational Diabetes Mellitus and Frequency of Blood Glucose Monitoring : A Randomized Controlled Trial
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