ダイエット甘味料を用いたカロリーオフ飲料やゼロカロリー飲料は、近年の高いニーズを受け、さまざまな製品が発売されていますが、カロリーの過剰摂取や糖尿病、肥満を気にして選んだこれらの飲料が、かえって糖尿病の発症リスクやメタボリックシンドロームリスクを上昇させるとする研究結果が出され、多くの反響を呼んでいます。
甘みが代謝シグナルに影響、カロリーと合わないと反効果学習に?
研究はMaria Geraldine Veldhuzen氏、Dana M. Small氏らのグループによってなされたもので、その成果をまとめた論文は「Current Biology」オンライン版に8月10日付で掲載されました。
研究グループは、人間の摂取した栄養に対する代謝シグナルは、エネルギー源の強化力を決定する主要要因と考えられていることから、甘味飲料に対する代謝と知覚、脳の応答を引き起こすカロリー負荷と甘みに関する働きを、神経イメージングと間接的な熱量測定のヒト対象研究として実施、通常の高カロリーな甘味飲料と、ダイエット甘味料を用いた低カロリー飲料の摂取における代謝反応の違いなどを調べました。
カロリー負荷は、炭水化物のマルトデキストリンによって調整し、甘みレベルは人工甘味料として用いられるスクラロースで調整しています。通常の甘味飲料と、異なる量のマルトデキストリン、スクラロースを含む配合飲料で、どのような代謝応答の違いが生じるか、被験者を対象に検討したそうです。
ダイエット飲料は脳がより多くを求めるように
分析の結果、カロリー負荷とエネルギー源における補強力との関連性は非線形であり、カロリーだけが代謝に影響を与えているわけではないことが分かりました。
また、驚くべきことに、低カロリー飲料を摂取すると、より大きな代謝応答が生成され、一般的な甘味飲料をはじめ高カロリーの飲料よりも脳の応答や好みが高くなることが判明したそうです。
そして甘い味そのものが代謝シグナルの生成調整に関与しており、甘みとカロリー負荷の両方が代謝シグナルを決定するもとになっていると説明しました。さらに、カロリーと甘さの比例関係が代謝反応に影響をもたらすことが分かったとし、その関係性からは、甘みとカロリーのバランスがとれていないダイエット飲料のような低カロリー飲料の摂取が、結果として脳により多くを摂取してよいと学習させるものになり、代謝を妨げて、体重の増加や糖尿病リスクを上昇させることにつながる可能性が高いことが明らかになったとしています。
この甘味飲料摂取による生理学的な応答への影響については、さらなる研究が必要とされていますが、やはりカロリーだけを気にしていればよいというわけではなく、代謝応答とその反応メカニズムは、より複雑なものであることに間違いはないようです。
(画像は写真素材 足成より)

Current Biology : Integration of Sweet Taste and Metabolism Determines Carbohydrate Reward
http://www.cell.com/