2型糖尿病の発症には、さまざまな要素が関連していますが、中でも食事や運動、日常の身体活動量といった因子からなる生活習慣は関係性が深く、大きな影響を与えるものとなることが知られています。そのため、日頃から健康的な食生活と運動を心がけることが重要なのですが、運動不足を感じるだけでも健康リスクになるとする研究報告がこのほどなされ、注目を集めるものとなっています。
今の自分は同年代に比べ活動的?運動不足?
この研究を行ったのは、スタンフォード大学の研究者であるOctavia H. Zahrt氏、Alia J. Crum氏らのグループで、米国の大規模データを用いた分析により、身体活動に関する考え方と死亡リスクの関連性を検討したものとなっています。研究成果をまとめた論文は、「Health Psychology」オンライン版に7月20日付で掲載され、プレスリリースでも紹介されました。
研究グループでは今回、定期的に実施されている米国国民健康聞き取り調査などからデータを収集し、1990年~2006年の対象米国人被験者61,141人分と、2011年の全死因による死亡率データを用いた分析を試みました。
追跡調査期間は21年間で、被験者らには、性別や年齢、人種、婚姻状況、教育レベル、雇用、年間世帯収入、医療へのアクセス状況などの人口統計データを属性データとして報告してもらったほか、自分の健康状態について、1の「優良」から5の「劣っている」までのスケールで評価してもらいました。
病歴や障害、精神衛生状況、BMI指数も調査し、これらさまざまな項目と実際の運動量、健康状態に影響を受けた行動などをベースに考慮した調整を行って、解析を進めたそうです。
運動不足を感じないメリハリのある生活を!
身体活動レベルについては、2つのサンプルで、最近の運動状況に関する頻度や持続時間、強度などを自己申告してもらい、評価しています。また他のサンプルでは、1週間、リアルタイムに実際の身体活動量を測定するため、加速度計機能を有するデバイスを装着してもらい、そのデータを提出してもらいました。そして、同年代の人々と比べて自分は活発的だと思うかを尋ね、被験者それぞれの身体活動知覚レベルを調査しています。
分析の結果、自分は同年代の人々に比べて運動不足だと感じている人の場合、自分は同年代の人々よりも活動的な生活を送っていると感じる人に比べ、早期に死亡するリスクが有意に高く、21年間の追跡期間中では71%も高いリスクになっていることが分かりました。
またこの結果は、実際の身体活動量や病歴、年齢をはじめとする各種属性因子、健康関連要素を考慮に入れてもなお、維持されたとも報告されています。
今回の研究結果は、身体活動量に対する考え方と死亡リスクの関連を示したものであって、運動不足を感じることが直接死亡リスクを高めると証明したものではありませんが、意識的に歩いたり、掃除をしたり、階段を積極的に用いるなど、ささいな活動でもよいので、自分自身が運動不足と感じないようなメリハリのある生活を、気分良く送るようにすることが、健康長寿に資するものであると示せたといえます。
バランスの良い食事と気持ちよく続けられる運動、身体活動からなる生活習慣を身につけ、糖尿病予防にもつなげたいですね。
(画像は写真素材 足成より)

American Psychological Association プレスリリース
http://www.apa.org/Health Psychology : Perceived Physical Activity and Mortality : Evidence From Three Nationally Representative U.S. Samples
http://www.apa.org/