糖尿病の薬物治療を受ける際には、患者も積極的に治療方針の決定へ参加し、医師とのコミュニケーションを十分にとりながら、適切な治療を実施・継続することが非常に重要です。しかし、この服薬アドヒアランスに関する理解では、患者と医師の間に大きなギャップがあることが明らかになりました。
武田薬品がWeb調査を実施、重要性はともに認識も理解にギャップ
これは、武田薬品工業株式会社が、糖尿病または高血圧の患者を対象に、治療薬の服薬アドヒアランスの理解と取り組みに関するWeb調査として実施した結果、明らかとなったもので、詳細結果は「Current Medical Research and Opinion」誌に掲載されています。
調査は、糖尿病か高血圧症のいずれかで薬物治療を実施中のマクロミルモニタ会員でもある患者882人と、ケアネットパネルの会員で、循環器科・糖尿病科・一般内科に属し、高血圧患者を月50人以上、糖尿病患者を月30人以上、いずれもカルテベースで診療しており、かつアドヒアランスの悪い患者を抱えているという医師304人を対象に、インターネットリサーチの形式で行われました。
調査実施機関は株式会社マクロミルケアネットで、医師の調査時期は2015年7月27日~7月31日、患者調査は2015年7月30日~8月4日となっています。
飲み忘れ防止の対策、簡便な服用方法、密なコミュニケーションでギャップ解消を
調査の結果、正しく薬を服用できているとした患者は全体の85%でした。残薬については、その有無を医師に伝えていない患者が46%であるのに対し、患者へ残薬確認を行っているとした医師は99%、医師から残薬対策をとくに受けていないと答えた患者は22%である一方、残薬への対応をとっているとした医師は99%となっています。
薬の飲み忘れ経験についての設問では、患者はひと月あたり平均4.8日分あると答え、医師は平均5.4日分を想定していました。飲み忘れの要因としては、医師・患者とも「うっかり飲み忘れる」ことを挙げた人が最も多く、自分で飲み忘れ対策ができているとした患者は60%でした。
医師は、残薬対応として、より簡便な服薬となるよう一包化を行っているとした人が64%、服薬回数の軽減を図っているとした人が55%で、残薬量を踏まえそれに応じた処方量の調整も行っているとしたのは全体の63%でした。
現状への満足度では、患者は59%が満足と答えているのに対し、医師では満足との回答はわずか4%となっています。
この結果から、患者も医師も、ともに服薬アドヒアランスの重要性について理解しているものの、患者は医師が思っているほど医師から十分な服薬遵守や残薬の削減に向けた指導・対策を受けているとは感じておらず、ある程度自分で工夫しようとしているものの、うまくいっていないケースも少なくないことが分かります。
武田薬品工業では、今後この患者と医師における服薬アドヒアランスへの理解ギャップを解消し、服薬アドヒアランスを向上させていくことが重要と考えており、そのためには医師と患者のコミュニケーションの改善や飲み忘れ対策の実施、服用法の簡便化を進めることが鍵になるとみています。
(画像はイメージです)

武田薬品工業株式会社 お知らせ
http://www.takeda.co.jp/information/20160704.html調査結果詳細資料
http://www.takeda.co.jp/information/files/20160704.pdfCurrent Medical Research and Opinion : Differences between patient and physician opinions on adherence to medication for hypertension and diabetes mellitus
http://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080