糖尿病の病態・特徴は、患者それぞれの背景によってさまざまであり、進行抑制や改善のためには、より個別化された医療の提供で、細かく最適化された治療を進めていくことが重要と考えられています。そのためこれを支える基盤となる、多様な治療選択肢の開発も盛んに進められています。
ジャヌビアとスーグラの配合剤を承認申請
MSD株式会社とアステラス製薬株式会社は19日、MSDがDPP-4阻害剤のシタグリプチンリン酸塩水和物(製品名「ジャヌビア錠」)とSGLT2阻害剤であるイプラグリフロジン L-プロリン(製品名「スーグラ錠」)の配合剤について、2型糖尿病を適応症とする製造販売承認申請を行ったことを明らかにしました。
「ジャヌビア錠」は、MSDが製造販売する、国内初の選択的DPP-4阻害剤と呼ばれるタイプの薬剤で、1日1回の投与で2型糖尿病治療に用いられます。膵β細胞に対し、インスリンを分泌するよう働きかけるインクレチンを分解する酵素である、ジペプチジルペプシダーゼ-4(DPP-4)を阻害することにより、活性型インクレチンを増加させて、血糖の高さに応じた血糖低下作用を示します。体重の増加を起こしにくい点や、低血糖を発現しにくい点などが特徴的なメリットとしてあります。
もう一方の「スーグラ錠」は、アステラス製薬が製造販売するもので、国内初の選択的SGLT2阻害剤と呼ばれるタイプの2型糖尿病治療薬です。ナトリウム・グルコース共輸送体(SGLT2)という腎臓の近位尿細管にある輸送体は、尿中からブドウ糖を体内へと再吸収する働きを担っていますが、糖尿病患者の場合、体内の糖がすでに過剰となっているため、このSGLT2の働きを阻害し、余分な糖を、尿を通じそのまま排泄させるようにして血糖値を降下させます。
インスリンに依存しない、糖の排泄促進という、これまでの薬剤とは異なったアプローチから血糖低下を促すものとなっているため、他の治療薬と組み合わせて用いやすいほか、体重増加や低血糖の発現リスクが低いメリットがあります。
単剤療法では血糖コントロール不良な患者の負担を軽減しながら症状を改善
今回、日本国内における製造販売承認申請が行われたのは、これら異なる作用機序をもった2種類の2型糖尿病治療薬を配合した薬剤で、配合剤としてまとめて服薬できるものとなることから、利用する患者にとっては大いに負担が軽減されると考えられています。
また配合剤となることで、複数を併用するよりも服薬アドヒアランスを向上させられると見込まれるため、より効果的な治療を進めやすくなるでしょう。申請に際して実施した臨床試験では、配合剤の有効性、安全性と忍容性が確認されています。
MSDとアステラス製薬では、単剤療法ではなお血糖コントロールが不良である2型糖尿病患者への治療において、この配合剤が新たな治療選択肢となり、これまで以上に人々の健康やQOL向上へ寄与できるものと考えるとしています。
(画像はMSD株式会社ホームページより)

MSD株式会社/アステラス製薬株式会社 プレスリリース
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