近年、自然界に微量しか存在していないものの、複数の種類があり、中には食後血糖の上昇や内臓脂肪の蓄積を抑制したり、抗酸化作用などを発揮したりするものもある単糖類として「希少糖(レアシュガー)」が注目を集めています。
「レアシュガースウィート」の松谷化学工業、名城大との共同研究成果を発表
この希少糖の一種で、ノンカロリーかつ砂糖の7割程度の甘みをもつ「プシコース」(アルロース)などを含んだ希少糖含有シロップ「レアシュガースウィート」を株式会社希少糖生産技術研究所とともに開発した松谷化学工業株式会社は18日、名城大学薬学部との合同研究チームによる研究の成果をまとめた論文が、「Journal of Agricultural and Food Chemistry」誌に掲載されたことを発表しました。
D-アルロース(和名・D-プシコース)を含む希少糖含有シロップの糖代謝に対する影響について、Wistarラットを用いた検証を行ったもので、肝臓のグルコキナーゼ移行を介しても、耐糖能とインスリン感受性が維持されることを確認した内容となっています。論文は同誌3月9日号に掲載されたほか、この論文に関する写真が掲載号のカバーアートにも採用されています。
一般的に使用されているブドウ糖と果糖を主成分とした液状糖の甘味料、異性化糖(HFCS)を大量に摂取すると、糖尿病や肥満のリスクが上昇します。これに対し、希少糖含有シロップ(RSS)は、HFCSのアルカリ性異性化によって開発されたものですが、逆に抗肥満・抗糖尿病効果をもつことが、これまでの研究で明らかとなりました。
今回研究グループは、さらにこのRSSについて、糖代謝に対する影響を検討、長期投与がグルコース耐性を維持するか、またそのメカニズムが肝臓のグルコキナーゼ移行と関連するかどうかを調べました。
血糖値低下だけでなく、耐糖能とインスリン感受性の維持も確認
研究グループでは、Wistarラットに水、RSS、HFCSのいずれかを飲料水に含めて10週間にわたり投与し、耐糖能とインスリン耐性、肝臓のグリコーゲン含量、肝臓グルコキナーゼの細胞内分布を観察しています。
その結果、まずRSSを投与したラットでは、体重の増加と腹部脂肪量の増加に対する有意な抑制効果がみられました。また耐糖能試験を行うと、水投与群と比べてHFCS投与群では有意に高い血糖値となったのに対し、RSS投与群では90~180分で有意に血糖値が低下することが確認できました。RSS投与群のインスリン値は、30分、60分、90分のそれぞれで水投与群のインスリン値よりも低くなっていたそうです。
肝グリコーゲン量をみると、RSS投与群で、他の群よりも3倍以上高値になっていることが確認され、グルコース負荷後では、グルコキナーゼの核外移行が、水投与群よりもRSS投与群で有意に増加していることが分かりました。
これらの結果から研究グループでは、D-アルロースを含む希少糖含有シロップは、肝臓グルコキナーゼの核外移行を増強することによっても、グルコース耐性やインスリン感受性を維持するとみられるとしています。
人においても同様の効果が認められるかどうか、まだ確定的ではありませんが、甘味調味料として働くほか、コクと風味をアップさせ、さらに食後血糖の上昇抑制、脂肪の蓄積抑制、糖代謝改善に耐糖能・インスリン感受性の維持などが期待できるとなれば、大いにうれしいものとなるでしょう。今後のさらなる研究開発と応用にも、期待が集まるところです。
(画像は松谷化学工業株式会社ホームページより)

松谷化学工業株式会社によるプレスリリース(ValuePress!)
https://www.value-press.com/pressrelease/183268Journal of Agricultural and Food Chemistry : Rare Sugar Syrup Containing d-Allulose but Not High-Fructose Corn Syrup Maintains Glucose Tolerance and Insulin Sensitivity Partly via Hepatic Glucokinase Translocation in Wistar Rats
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/acs.jafc.6b05627松谷化学工業株式会社 ホームページ
http://www.matsutani.co.jp/