かつては血糖コントロールが不良な状態が続く場合の最終手段とされたインスリン療法ですが、今日ではその治療方法や製剤の進化に伴い、1型糖尿病だけでなく2型糖尿病でも、合併症予防などの観点から積極的に利用するケースが増えてきています。
一般的なMDIとCSIIの治療効果を比較
こうしたインスリン療法には、さまざまなスタイルがあり、患者個々の状態やライフスタイルに合った方法をとっていくこととなりますが、まず選択される強化インスリン療法のうちのインスリン頻回注射と、持続的皮下インスリン注入について、その効果を比較した最新の研究結果が報告されました。
研究を実施したのは、Muriel Metzger氏らのグループで、報告内容は「Diabetes, Obesity and Metabolism」オンライン版に4月4日付掲載の論文にみることができます。
研究グループでは、強化インスリン療法で、原則としてまず選択されるインスリン頻回注射(MDI)を実施しても、HbA1c値が8%を超える血糖コントロール不良な2型糖尿病患者を対象として、ランダム化比較試験を実施しました。
対象患者331人を、持続的皮下インスリン注入(CSII)を行う群の168人と、インスリン頻回注射(MDI)を行う群の163人に無作為で割り付け、6カ月間の治療効果を観察・比較分析しています。
よりベースラインのHbA1c値が高い患者でCSIIに高い有効性
分析の結果、MDI療法群に比べ、CSII療法群でHbA1c値が有意に低下し、血糖コントロールを良好に導きやすいことが明らかとなりました。とくにベースライン時のHbA1c値が高い患者ほど、MDIとCSIIの治療効果における差が大きくなり、CSIIによって、よりHbA1c値が低下することが確認されています。
また、CSII群の効果の優位さを示すHbA1c値低下に関連する、そのほかの因子としては、地理的な環境条件、教育レベル、総コレステロール値、ベースライン時の連続的な血糖モニタリングにおけるグルコース値変動、調査実施6カ月間の自己管理下における平均空腹時血糖の低下が挙げられました。
研究グループでは、今回の比較検討結果から、MDI療法では目指す血糖コントロールが実現できていない2型糖尿病患者において、CSII療法を導入することが、多くの患者にとって有用である可能性が示唆されたとまとめています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes, Obesity and Metabolism : Factors associated with improved glycemic control following continuous subcutaneous insulin infusion therapy in patients with type 2 diabetes uncontrolled with bolus-basal insulin regimens : an analysis from the OpT2mise randomized trial
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/dom.12960/full