近年、発育期・成長期において肥満となる小児肥満の子どもが増加傾向にあり、それに伴ってかつては中年以降に発症するケースが一般的とみられていた2型糖尿病も、若年で発症する患者が増えてきています。
BMI値肥満児では2型糖尿病発現リスクが増大
こうした傾向は広く認識されていますが、一方でいまだ科学的に子どもの肥満や肥満傾向と糖尿病の発症との関連性について、検証した研究はあまり多くありません。
そこで、小児におけるBMI値と1型および2型糖尿病の発症との関連を後ろ向きコホート研究によって検討した結果が、英国のグループにより報告されました。研究を行ったのはAli Abbasi氏らのグループで、その成果をまとめた論文が「Journal of the Endocrine Society」オンライン版に4月25日付で掲載されています。
研究グループは、英国のClinical Practice Research Datalink(CPRD)を用い、375の調査研究データを取得、1994~2013年のデータで2~15歳の小児369,362人におけるBMI値を入手しました。その上で25歳までの糖尿病発症・確定診断を追跡、解析を行いました。
1型糖尿病との関連性はみられず
分析の結果、2型糖尿病の発症例が654件、1型糖尿病の発症例が1,318件確認され、10万人あたりの2型糖尿病発症率は、1994~1998年の6.4人から、2009~2013年の33.2人にまで増加、1型糖尿病でも同期間で38.2人から52.1人に増加していました。
1994~2013年にかけて、過体重の小児、肥満の小児の両方で2型糖尿病の発症率が上昇してきていることが確認され、2型糖尿病の発症リスクはハザード比3.75と有意に高くなっていることが分かりました。
こうした過体重・肥満とされる小児と、BMI値が正常な小児とを比較すると、2型糖尿病の発症率は過体重・肥満児が4.33倍となり、肥満状態がリスクを増大させていることがあらためて確認されています。一方で、肥満と1型糖尿病発症との間には有意な直接的関連性は認められていません。
研究グループでは、肥満の増加が、英国における小児および若年成人における2型糖尿病発症のリスク増加を招いているとし、成長期の適正な体重管理の重要性を訴えています。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of the Endocrine Society : Body Mass Index and Incident Type 1 and Type 2 Diabetes in Children and Young Adults : A Retrospective Cohort Study
https://academic.oup.com/