2型糖尿病患者では、心血管死や心臓発作、脳卒中など心血管系疾患の発現リスクが高まることが知られています。こうした心血管系疾患または心血管リスク因子を高いレベルで持っている2型糖尿病患者を対象とした大規模臨床試験の追跡調査として、脂質管理を強化したものの結果が新たに報告されました。
全例の解析結果ではフェノフィブラート追加も有意な差はなし
ベースとなっている臨床試験は、ACCORD試験と呼ばれるもので、心血管系疾患の高リスク2型糖尿病患者、約1万人を対象として行われ、強化血糖管理などによる心血管系イベント発現への影響が検討されました。
今回の報告は、Marshall B. Elam氏らの研究グループによるもので、その結果をまとめた論文は「JAMA Cardiology」4月号に掲載されています。
脂質コントロールに関しては、ACCORD-Lipid試験として、脂質コントロール介入強化による心血管系イベントの発現リスクを検討する事後追跡調査が5,518人を対象に行われ、全例にシンバスタチンを用いた上で、強化療法群にフェノフィブラート投与が、標準療法群にはプラセボの投与がなされました。約5年の追跡期間で、それぞれの群における心血管系イベント発現率に有意な差は認められていません。
今回研究グループでは、この5,518人のうち生存者の4,644人を参加者として、合計9.7年にわたる継続追跡調査を実施、その結果を報告しました。参加者の内訳は、元のACCORD試験における集団を広く代表するものとなっており、1,445人、全体の31%が女性、1,094人、全体の21%が非白人です。参加患者の中で、心血管系イベントの発現がみられたのは、全体の35%にあたる1,620人でした。
高TG血症・低HDL-C患者には有効か
ACCORD試験の終了後、フェノフィブラートを追加投与する治療が行われていたのは、試験参加者全体の4.3%にとどまり、9.7年間のフォローアップ期間で、無作為に割り付けられていた、かつてのフェノフィブラート投与による強化療法群、かつてのプラセボ投与による標準療法群で、善玉コレステロール値(HDL-C)とトリグリセリド値(TG・中性脂肪)が、同水準になっていったことが確認されています。
こうした中立的な結果が出ていたにもかかわらず、トリグリセリドが204mg/dL以上の高TG血症患者、善玉コレステロール値が34mg/dL未満の低HDL-C患者に該当する被験者では、フェノフィブラート投与が行われていた方が、プラセボ投与群に比べ、有意に心血管系イベントの発生率が低く抑えられていることが分かりました。
これらの結果から研究グループでは、フェノフィブラートを用いた脂質コントロール介入を強化する療法によって、高TG血症や低HDL-C患者に該当する2型糖尿病患者の場合、心血管系イベントの発現リスクを低減させられる可能性があることが示唆されたとしました。
継続投与が有効であるかどうかについてなどは、さらなる研究が必要なところとされていますが、再びフェノフィブラートを用いた療法にも注目が集まっています。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA Cardiology : Association of Fenofibrate Therapy With Long-term Cardiovascular Risk in Statin-Treated Patients With Type 2 Diabetes
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