2017年5月15日、京都大学の研究チームは生理的に発生する小胞体ストレスの原因となるタンパク質を突き止めたことを発表。そして、その場面により原因となるタンパク質は異なり、その状況を打開するのに適した小胞体ストレスセンサーが活性化されていることも確認したと発表しました。
小胞体ストレスとは
小胞体ストレスとは小胞体内に異常なタンパク質や正常な修飾がなされていないタンパク質が溜まった状態のことです。この状態は様々な生理的ストレスが原因で生じるのですが、ストレス要因がなくても小胞体の処理能力以上のタンパク質が小胞体内に運ばれてきた時にも生じることがわかっています。
小胞体ストレスが発生すると小胞体はこれ以上新たなタンパク質が運び込まれないようにmRNAの翻訳を抑制し、小胞体分子シャペロンの転写を促してタンパク質の折りたたみ効率をアップさせます。また、折りたたみ不全タンパク質を分解する小胞体関連分解も活性化することが解明されています。
今後の研究成果にも期待
小胞体ストレスや小胞体ストレス応答には細胞を守るという機能もありますが、この状態が続くと細胞死を誘導します。また、糖尿病や動脈硬化症、がん疾患などの発症に関与していることも知られており、そのメカニズムの解明が喫緊の課題です。
今回の研究では小胞体ストレスの原因となるタンパク質を突き止めることができました。
疾患によってどのような小胞体ストレスが生じているかは異なる可能性があり、どの小胞体ストレスセンサーによって細胞の恒常性が維持されているのか、その恒常性はどのように失われていくのかを解明することができれば疾患理解の第一歩に繋がるのではないかと考えられます。
(画像はプレスリリースより)

京都大学 プレスリリース
http://www.kyoto-u.ac.jp/