近年、食生活の欧米化などに伴って血清尿酸値の高い人が増えてきています。肥満度が高い場合でとくに高い傾向があり、血清尿酸値が高くなると高尿酸血症を発症、痛風へと進行します。糖尿病や高血圧症、高脂血症などと合併すると、より動脈硬化を起こしやすくなって心筋梗塞や狭心症を招くことも知られています。
2型糖尿病患者を対象としたコホート研究で判明
今回、この血清尿酸値と糖尿病について、新たな関連性を示す研究報告がなされました。研究成果をまとめた論文は「Diabetes Metabolism Research and Reviews」オンライン版に4月26日付で掲載されています。
研究を行ったのは、Hirohito Kuwata氏、Hitoshi Ishii氏らのグループで、彼らは血清尿酸値と糖尿病性網膜症の発症リスクについて検討しました。研究は、日本人の2型糖尿病患者を対象としたレジストリ研究として実施されています。
研究グループでは、ベースライン時で糖尿病性網膜症が発現していない2型糖尿病患者の1,839例におけるデータを取得、潜在的な交絡因子を考慮した調整を行ってCox比例ハザードモデルを用い、ベースライン時の血清尿酸値レベルと糖尿病性網膜症の発生率との間の関係性を検討しました。
男性患者では尿酸値が高いとリスクが増大
2年間の追跡期間中、全体の10.2%にあたる188人で新たに糖尿病性網膜症の発現が確認されました。ベースライン時の血清尿酸値レベルによって、患者群を4つに分類、低い方から順に第1、第2、第3、第4群としたところ、多変量調節解析で見出された糖尿病性網膜症の発症リスクは、男性患者の第1群に比べ、第2群では1.97倍、第3群で1.92倍、第4群で2.17倍となり、およそ血清尿酸値が高いほど、発症リスクも漸増的に増大することが判明しました。
一方でこうした傾向は男性患者に限られ、女性の2型糖尿病患者では見出されなかったそうです。
研究グループでは、血清尿酸値レベルが高いほど、2型糖尿病を有する男性患者の場合、糖尿病性網膜症の発症リスクが増加したとして、尿酸値が将来の糖尿病性網膜症発症リスクをみる有用なバイオマーカーとなり得る可能性を示唆しています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Metabolism Research and Reviews : Serum Uric Acid Levels are Associated with Increased Risk of Newly Developed Diabetic Retinopathy Among Japanese Male Patients With Type 2 Diabetes : A Prospective Cohort Study 【Diabetes Distress and Care Registry at Tenri (DDCRT 13)】
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/dmrr.2905/full