2型糖尿病は、蓄積された食生活の偏りや運動不足などの生活習慣に起因するところが大きいため、ある程度年齢を重ねた人における発症が多くなっていますが、近年では高齢化社会が進展し、さらに高齢の2型糖尿病患者の数も増加の一途をたどっています。
重症低血糖を防ぐためのポイントは?
糖尿病の治療においては、血糖値の上昇を抑え、血糖コントロールを良好にしていくことが基本ですが、高齢患者の場合では、薬を分解・排出する体内の機能が低下していることなどもあり、深刻な低血糖を生じやすいため、これを予防しながら治療することがとくに重要となります。
高齢者では、動脈硬化が進展していることも少なくなく、重症低血糖の発現は、脳卒中や死亡、その後の寝たきりにつながる大きなリスク因子でもありますから、一般の2型糖尿病患者以上に、低血糖に気をつける必要があるのです。
こうした低血糖予防を行いながらの、高齢患者における糖尿病治療を考える視座を得ることを目的とした、最新の研究報告が「Journal of Diabetes Investigation」のオンライン版に、4月11日付で掲載されました。
研究を行ったのは、Takahiro Ishikawa氏、Masaya Koshizuka氏らのグループで、持続血糖モニタリング装置(CGM)データを用い、低血糖発現リスクからみた高齢患者への理想的な糖尿病治療のあり方を分析・検討しています。
血糖変動を小さくおさめる!下げすぎにも注意した管理を
研究グループでは、2型糖尿病を患う65歳以上の患者170人(うち29人は入院患者)を対象に、低血糖を発現している群と発現がなかった群とに分類、HbA1c値のレベル、用いている血糖降下薬などに関する治療タイプ、血糖変動、平均血糖値などの項目に関し、CGMデータの後ろ向き解析を行って、低血糖発現リスクとの関係性を調べました。
その結果、インスリンを用いている患者では、低血糖発現リスクが2.17倍高くなり、これに対しDPP-4阻害薬での治療を行っている患者ではリスクが0.47倍と低くなっていることが分かりました。
また血糖変動が小さい患者の場合、低血糖発現リスクが0.87倍と有意に低く、平均血糖値がより低くなっている患者では、1.09倍と有意に高い発現リスクとなることも確認されました。
これらの結果から研究グループでは、65歳以上の高齢2型糖尿病患者の場合、血糖変動が大きく、平均血糖値が低いほど、高い低血糖発現リスクを抱えるものとなっているとし、その治療においては、血糖変動を抑え、平均血糖値も下げすぎないようにするなど、より包括的な血糖コントロールを確実に行っていくことが重要だとまとめました。
(画像は写真素材 足成より)

Journal of Diabetes Investigation : Continuous glucose monitoring reveals hypoglycemia risk in elderly patients with type 2 diabetes mellitus
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdi.12676/full