現在、糖尿病治療に用いられているインスリン製剤には、作用時間によって超速効型、速効型、中間型、持効型、混合型の5種類に分類されるものがあり、必要に応じてうまく使い分けていくことが重要とされています。
超速効型アスパルトの方が1型糖尿病患者の食後血糖増加量コントロールで優れる結果に
この5種類のうち、超速効型と呼ばれるものは、およそ10~20分で作用が発現、40分~1.5時間程度で作用のピークを迎え、作用は3~5時間持続します。
この超速効型インスリン製剤で、よく処方されるものに、インスリンアスパルトがありますが、この超速効型インスリンアスパルトと従来型のアスパルトを、1型糖尿病患者に用いた場合で、有効性と安全性を比較検討した結果が、「Diabetes Care」オンライン版に、3月29日付で掲載されました。
研究を実施したのは、David Rusell-Jones氏らのグループで、試験は多施設共同、二重盲検下のランダム化比較実験(Onset 1)としてデザインされています。対象となったのは、1型糖尿病患者1,143人で、患者らは超速効型アスパルトを食前に投与する群の381人、従来型アスパルトを食前投与する群の380人、オープンラベルで超速効型アスパルトを食後に投与する群の382人に無作為で割り付けられました。
超速効型アスパルトの食前投与が最も有効か
ランダムに割り付けた治療の開始から26週後のHbA1c値は、ベースライン時からの変化で、いずれの群でも改善がみられています。ただし超速効型アスパルトを食前投与した群では、従来型アスパルトを食前投与した群よりも有意に値が低下し、その群間差推定値はマイナス0.15%でした。超速効型アスパルトの食後投与群と、従来型アスパルトの食前投与群では、HbA1c値の低下は同程度であったと報告されています。
食後血糖増加量で比較検討すると、食後1時間の値、食後2時間の値のいずれも、従来型アスパルトを食前に投与した群より、超速効型アスパルトを食前投与した群で、統計学的に有意な低下が確認されました。とくに食後2時間の血糖増加量については、超速効型アスパルトの従来型に対する優越性が認められています。
重症低血糖の発現や、血糖値から確認された低血糖エピソードの発現における頻度、安全性プロファイルでは、それぞれの群における有意な差はありませんでした。
これらの結果から研究グループでは、超速効型インスリンアスパルトについて、1型糖尿病患者のHbA1c値を効果的に改善するものであり、従来型アスパルトに劣るところのないものであることが確認されたとしたほか、超速効型インスリンアスパルトの食前投与は、従来型アスパルトよりも、食後血糖増加量のコントロールという観点で優れていることが判明したとしています。
(画像は写真素材 足成より)

Diabetes Care : Fast-Acting Insulin Aspart Improves Glycemic Control in Basal-Bolus Treatment for Type 1 Diabetes: Results of a 26-Week Multicenter, Active-Controlled, Treat-to-Target, Randomized, Parallel-Group Trial (Onset 1)
http://care.diabetesjournals.org/