2型糖尿病の発症や病態進行には、生活習慣における要素が大きな影響を及ぼしており、とくに食生活は大きなカギを握る因子となっています。日本食ではまず主食に白米がありますが、近年の研究から、白米の摂取は糖尿病リスクと正の相関関係にあるとされ、多量な摂取は控えた方が良いと考えられています。
リスクを上げる食品と下げる食品、その相互作用は?
白米のような糖質の多い食品、血糖値を上げやすい食品が、糖尿病の発症リスクを上げるとされる一方、緑茶やコーヒーなどでは糖尿病リスクを低減できるとも報告されるなど、リスクを低減できるとみられる食品もあります。しかしこれまでの研究では、これら糖尿病リスクと関連する飲食物の相互作用がどのように発現するかについて、明らかにされていませんでした。
そこで、Hirata A氏、Takayanagi R氏らの研究グループは、白米の摂取と緑茶およびコーヒーの摂取を行った場合、日本人の高齢男女で糖尿病の発現にどのような影響がもたらされるか、検証を行いました。研究の成果をまとめた論文は、「Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition」の5月号に掲載されています。
研究グループは、まず2004年~2007年にベースライン調査を実施、その後2010年~2012年にフォローアップ調査を行いました。ベースライン調査に参加した被験者のうちの91%にあたる11,717人がフォローアップ調査への回答を行っています。この調査で得られた結果をもとに、複数のロジスティック回帰分析を用い、穀物と緑茶、コーヒーの摂取量カテゴリー別で糖尿病リスクを算出、比較検討を行ったそうです。
白米の多め摂取によるリスク上昇を緑茶で低減可能か
フォローアップ期間中、新たに糖尿病と診断された人は464人でした。分析の結果、女性被験者で白米の摂取量と糖尿病の発症に正の相関関係があることが確認されました。一方で緑茶の摂取量と糖尿病リスクには、逆相関の関係が認められています。
今回の調査結果からは、コーヒーについて、男性・女性のいずれにおいても、糖尿病の発症との有意な関連性は確認されませんでした。
次に緑茶について、その摂取量により層別化してリスク分析を行うと、1日に7カップ以上の緑茶を摂取した女性では、先に確認された白米摂取量と糖尿病発症との関係が消失することが明らかとなりました。
これらの結果から研究グループでは、今回の場合白米の摂取量は、女性において糖尿病の発症リスク増と有意に関連し、逆に緑茶の摂取量はリスクの低減と関連していたとしたほか、摂取量が多いほど高まっていく白米の糖尿病リスクを、緑茶の十分な摂取によって抑制できる可能性があると指摘しています。
栄養バランスの良い内容、過剰とならない摂取量で食生活の改善を図っていくことが最も大切であることに変わりはありませんが、白米と緑茶という日本食の基礎をなす組み合わせは、健康面からも理にかなったベストパートナーなのかもしれません。
(画像は写真素材 足成より)

Asia Pacific Journal of Clinical Nutrition : Effect modification of green tea on the association between rice intake and the risk of diabetes mellitus: a prospective study in Japanese men and women.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28429922