2017年4月17日、東北大学の研究グループは細胞外ATPが関与する細胞死をトランス脂肪酸が促進させることを発見したと発表しました。
炎症を起こす物質
生体に炎症などの有害な刺激を起こす物質は化学物質や病原体など生体の外部に存在するものだけではありません。自己由来の起炎性物質と呼ばれる、生体内で産生された物質が炎症を誘導するケースもあります。
細胞外ATPは自己由来の起炎性物質のひとつです。自己由来の起炎性物質は障がいされた組織から漏れ出し、免疫細胞に作用して炎症や細胞死を引き起こします。
トランス脂肪酸がなぜ体に悪いのか
マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどに含まれるトランス脂肪酸は糖尿病や動脈硬化症などのリスクファクターとして知られています。
今回の研究では生活習慣病のなかでも動脈硬化症をピックアップ。動脈硬化症の発症には病巣において自己由来起炎性因子の漏出とマクロファージの作用による炎症と細胞死が関与することがこれまでの研究で明らかになっています。
同研究グループは今回の研究でトランス脂肪酸が細胞外ATP誘導性細胞死を促進させることを発見しました。
これまで、トランス脂肪酸は生活習慣病のリスクファクターであることはわかっていましたが、疾患の発症機序ははっきりとわかっていませんでした。今回の研究成果が疾患発症機序の解明に繋がるのではないかと大きな期待が寄せられています。
(画像は東北大学公式ホームページより)

東北大学 プレスリリース
http://www.tohoku.ac.jp/