2型糖尿病の発症には、運動不足や偏った食生活などの生活習慣が大きく関連することが知られ、その病態の進行抑制や改善においても、生活習慣の見直しが重要とされています。中でも、薬物療法や運動療法とあわせて食事療法が行われるように、食事の内容と摂取スタイルは大きなポイントとなります。
米国大規模調査で死亡と食事因子における関連の強さが判明
この食習慣のあり方が健康に対し、及ぼす影響がいかに大きいかをあらためて示した最新の研究結果が、「Journal of the American Medical Association(JAMA)」に3月7日付で掲載されました。
この研究は、Renata Micha氏らのグループによるもので、心臓病や脳卒中といった心血管系疾患、および2型糖尿病に起因する死亡と、食生活・栄養面における因子がどのように関連しているかを、米国成人のデータを用いて検証したものとなっています。
研究グループは、米国の国民健康統計・栄養調査(NHANES)から、人口統計と食習慣に関するデータを収集、野菜や果物、ナッツ類、全粒粉、赤身肉、加工肉、加糖飲料、多価不飽和脂肪酸、オメガ3脂肪酸の魚介類、ナトリウムといった心血管代謝疾患に関係する10項目の食品および栄養素の摂取を調べました。
そして、米国国立保険統計センターの有するデータを用い、2012年の心臓病、脳卒中、2型糖尿病に起因する死亡例とあわせて解析を行ったほか、2002年と2012年の間における死亡の率と傾向に関し、その疾患特異性と人口統計学的特性(年齢、性別、人種、教育水準)についても評価検討を行いました。
リスクの高い食生活から健康的な食生活へ改善を!
その結果、冠状動脈性心臓病の371,266件、高血圧性心臓病の35,019件、その他心血管系疾患の99,815件、虚血性脳卒中の16,125件、出血性脳卒中の32,591件、その他の79,578件、2型糖尿病の67,914件を含む702,308件が、死亡例として2012年のデータから見出され、推計318,656件が解析可能なものとして抽出されました。
これを対象とした分析の結果、ナトリウムの過剰摂取が関連した率は9.5%、ナッツ類の摂取不足は関連率8.5%、加工肉の過剰摂取では7.8%、野菜の不足が7.6%、果物の摂取不足が7.5%、加糖飲料の過剰摂取は7.4%の関連があると認められたそうです。
人口調整後のデータで、米国における心血管系疾患、代謝系疾患による死亡率は、2002年と2012年の間で年間26.5%減少していることが確認されました。死亡率変動には、不飽和脂肪酸の摂取不足がマイナス20.8%と最も大きく関連し、次いでナッツ類の摂取、加糖飲料の過剰摂取が強く関連していました。また赤身肉の摂取にも大きな関連性が見出されています。
これらの結果から研究グループでは、食事療法の重要性があらためて明らかになったとし、心臓病や脳卒中、2型糖尿病に起因する死亡の半数近くにも及ぶかなりの割合が、食事における因子と関連していると推定されたとしています。今後は、この各項目におけるデータなどを活かし、公衆衛生計画へと反映させるなど、適切な食習慣へと導いていく取り組みを進めることで、人々の健康を増進させられるだろうとしました。
(画像は写真素材 足成より)

JAMA : Association Between Dietary Factors and Mortality From Heart Disease, Stroke, and Type 2 Diabetes in the United States
http://jamanetwork.com/